ETF承認後の下げ幅解消のビットコイン、13日のCPIには警戒感も|bitbankアナリスト寄稿
今週2/3(土)〜2/9(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
2/3(土)〜2/9(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は週央から確りとした推移となり、一カ月ぶりに690万円にタッチしている。
週明けのBTCはエルサルバドルのブケレ大統領の再選や、ギャップダウンして始まったCMEのBTC先物の反発を味方に小確りとなり、630万円周辺から反発し640万円台を回復した。
ただ、この日全米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業動向レポートで、PMIを始め雇用やインフレ指数が市場予想比で上振れたことで、米国時間には上げ幅を解消した。
その後の相場は概ね630万円台での揉み合いが続いたが、週央からはホレスキーテストネットでのデンクンアップグレードを通過して上昇したETH相場に連れ高となり、BTCは7日に650万円を回復。
これにより相場は短期でダブルボトムを完成させると、翌8日も堅調に推移。この日はブラックロックのビットコインETF(IBIT)がグレイスケールのETF(GBTC)の売買代金を上回ったことも好感され、米国時間のBTCも確りした推移となり、9日東京時間には680万円の上抜けに成功している。
8日の終値時点でBTCは円建てで、米国で現物ビットコインETFの取引が始まった直後の下げ幅を解消した。
一方、ドル建てBTCは僅かに同水準に届かずとなっている。今週は短期ダブルボトムのネックライン上抜けと一目均衡表の三役好転の示現により、BTCは強地合いが示唆され、9日東京時間にはBTCドルは4.6万円台乗せに成功している。
ただ、4.65万ドルはドル建てでETFの取引が始まる直前の水準となっており、戻り売りが入りやすい水準と指摘される。
加えて、来週13日には1月の米消費者物価指数(CPI)の発表も控えており、目先ではポジション調整に伴う売り圧力にも注意と指摘され、BTCは相場に勢いはあれど深追いするには際どい水準まで戻ってきたと言えよう。
さて、13日の米CPIは、前年比では12月から横ばい(3.4%)となることが市場では予想されているが、昨今の米経済指標は市場予想を上回る結果が相次いでおり、警戒を要する。
特に12月のCPIは、エネルギー指数が11月の-2.3%から+0.4%と大幅に上昇していたが、1月も原油価格は底堅く推移しており、総合CPIの上振れには注意したい。
今週は複数FRB高官らが利下げに慎重な姿勢を示したにも関わらず、米株式市場は企業の好業績を好感して上昇し、FRBに耳を傾けていない模様だ。こうした市場の姿勢もCPIを機に来週はガラッと変わる可能性も指摘され、BTCもそろそろ調整に入る可能性もあるだろう。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:600万円台を割り込んだビットコイン、さらなる一段安に警戒
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