米大手ビットコイン決済企業「BitPay」が米ドル連動のステーブルコインに対応
- BitPayがステーブルコインでのクロスボーダー決済に対応
- BitPayは、米ドル連動ステーブルコインUSDCとGUSDへの対応を発表した。ステーブルコインでの決済は、アジア太平洋や南米エリアなど、特にサポート銀行口座のない地域での需要が高いとされる。
- ステーブルコインへの対応でBitPayは弱点克服か
- 仮想通貨を活用した支払いサービスは、決済完了するスピードの速さや手数料の低さが売りであるが、これまで仮想通貨の価格変動リスクを避けられなかった。 今回米ドルと連動するステーブルコインに対応したことで、ユーザーはそのリスクを回避できるようになった。
BitPayがステーブルコインでのクロスボーダー決済に対応
仮想通貨による支払サービスを提供するBitPayは、支払を受ける業者向けに、米ドル連動のステーブルコインであるCENTRE USD Coin(USDC)とGemini Dollar(GUSD)にサービス対応したことを発表した。
BitcoinとBitcoin Cashに加え、米ドル連動コインも商業利用での決済に対応したことで、業者は仮想通貨市場の不安定さから免れながらも、仮想通貨を利用した操業が可能となった。
ステーブル米ドルでの決済は、アジア太平洋地域、南米地域等で特に需要があるとされる。
特に発展途上国の業者には、BitPayサポート範囲の銀行口座がこれまで無く、BitcoinかBitcoin Cashでしか決済を受けられなかったためだ。
Bitpayは、全世界で20,000社が商業利用しているとされる。
ステーブルコインへの対応で弱点克服か
米国ジョージア州アトランタに本社を置くBitPayは、Bitcoinやブロックチェーンを活用する決済業者の中では最も古株で、商業用のクロスボーダー決済サービスを提供するほか、BitPayウォレットでの仮想通貨管理や仮想通貨からドルへの交換を行う『BitPayプリペイド Visaカード』などを提供する。
仮想通貨を用いた決済は、翌営業日には決済が完了するスピードの速さや手数料の低さが特徴である。
ただし、これまではBitcoinやBitcoin Cashの利用を免れることができないため、価格変動のリスクが付き纏っていた。
「ステーブルコインであるUSDCとGUSDへの対応は、BitPayを利用する顧客にBitcoinとBitcoin Cashを保有する以外の新たな選択肢を提供する。」
と 、BitPayの共同創業者でCEOのStephen Pair氏が述べた。
今回導入されたコインは、どちらもUSドルと1対1の価値を持つことを裏付けられたステーブルコインで、価格変動のリスクが抑えられている。
特にUSDCは、Circle社主導のコンソーシアムであるCENTREが発行するステーブルコインで、マイニング企業最大手のBitmainとゴールドマン・サックスの支援を受けている。
一方、GUSDは、仮想通貨取引所Geminiが発行するコインとなる。
GUSDは「Bit Lisence」の承認を受け、毎月の会計監査を行うコインだ。
「Bitライセンス」とは、ニューヨーク州金融サービス局が発行する、いわば仮想通貨事者の免許である。
USDCとGUSDのどちらもCircle とGeminiを通して、直接USドルに交換することが可能だ。
BitPayの動きから読む、同社の未来予測
今回の導入で気にかかるのは、主要なステーブルコインであるTether(USDT)が除外されている点だ。
Tetherは、仮想通貨市場全体でも上から8番目の時価総額を持つ人気コインであるが、本当にUSドルとの裏付けが取れているのか不安視されるなど、度々取り沙汰されている。
また、Paxos Standard(PAX)もGUSDと同様に「Bitライセンス」を受けた主要コインではあるが、取引数量の面からは大きく水を開けられている。
先月、BitPayのCCOであるSonny Singh氏は、ブルームバーグとのインタビューの中で、「仮想通貨市場は新たな段階への過渡期にある」と語っていた。
同氏によれば、ビットコインの価格は来年戻ってくると予測する一方で、アルトコインの価格は二度と戻ってこないと考えているとのことだ。
Grey82 / Shutterstock.com
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します