イーサリアムの投資家はDencunアップグレードの影響を注視すべき=Fidelityレポート

イーサリアムのアップグレード

デジタル資産企業「Fidelity Digital Assets(以下、Fidelity)」は6日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の次期アップグレード「Dencun」に関するレポートを公開した。

Dencunを行ってデータベースとしてのイーサリアムを改善していくことでL2ユーザーの取引手数料がほぼゼロになる可能性があるとし、新しいユーザーを引きつけることも可能であると執筆者のMax Wadington氏は主張。L2エコシステムのための基盤を作ることができ、イーサリアムはL2のデータベースとして効率性が高まるとも述べている。

L2とは

「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待できる。

▶️仮想通貨用語集

Dencunはテストネットでの実施を経て、来週にメインネットで実行される予定。このアップグレードで最も注目を集めているが「プロト・ダンクシャーディング(Proto-Danksharding)」という機能の導入だ。

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プロト・ダンクシャーディングは、L2からL1へのデータ転送コストを削減し、結果としてL2ユーザーの取引手数料を大幅に下げることが期待されている。

今回のレポートではWadington氏も、プロト・ダンクシャーディングの実装はDencunにおける重要ポイントであると指摘。そして、投資家はこの機能の影響について考えることが非常に重要だと主張した。

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イーサリアムへの影響

Wadington氏はレポートの「結論」の部分で、DencunでL2は取引手数料をほぼゼロにできる可能性があるとし、新しいユーザーを呼び込むことができるだろうと主張。一方で、L1のイーサリアム自体に与える直接的な影響は多くないと述べた。

そして短期的には、プロト・ダンクシャーディングによって手数料を下げたいユーザーは、イーサリアムではなくL2を使う必要があるとし、ある程度は分散性やセキュリティを犠牲しなくてはならないと主張。結果としてより多くのユーザーが他のネットワークに資産をブリッジすることになるだろうと述べている。

一方で、L2のプラットフォームが成熟し続ける中、アプリに特化した目的ではイーサリアム上でトランザクションを行うこと、特に高額なトランザクションはイーサリアム上で実施することが、中期的には最善の選択であるとFidelityは強く考えているとした。

Wadington氏はレポートの用語説明の項目で、イーサリアムは他のレイヤーよりもセキュリティと分散性が高いと説明している。

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