底堅い推移のビットコイン、目先は高値圏の揉み合いを想定|bitbankアナリスト寄稿
今週3/16(土)〜4/22(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週3/16(土)〜4/22(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は1000万円近辺で底堅い推移となっている。
前週後半にかけて米国の現物ビットコインETFへの資金流入が細ったことで、BTC円は1090万円台から反落し、週末には960万円台まで下落していたが、週明けには1000万円台まで戻して今週の取引が始まった。
ただ、今週はグレイスケールのGBTCからの資金流出が急増したことで、全体のETFフローは約2週間ぶりに純流出となったことが嫌気され、相場は19日に再び1000万円を割り込むと、一時は950万円をも下抜けた。
一方、週央からの相場は、6.1万ドル水準で反発すると徐々に戻りを試し、20日の東京時間には950万円を回復。さらに、この日最終日を迎えた3月の米連邦公開市場委員会では、金利据え置きが決定された一方、年内3回の利下げ想定が維持されたことで、警戒感が巻き戻し、BTC円は上値を追う展開に転じ1000万円を回復した。
ただ、今回のFOMCでは具体的な利下げ開始のタイミングなど、目新しい材料に乏しい内容だったためか、その後、BTCに買いは続かず、翌21日の相場は6.8万ドル水準で失速。
この日は米失業保険申請件数やコンファレンスボードの景気先行指数などが上振れたことで米債利回りが上昇し、BTC円は上値を重くすると、イーサリアムL2のブラスト上のブロックチェーンゲームでトークンが不正に発行されるハッキングが起きたことも嫌気され、22日正午時点で相場は1000万円をわずかに下回り推移している。
19日のBTC円は約7%と下落し、高値からは15%ほど大きく下げた。ただ、これまでのBTC相場の上昇局面においてはこの程度の下げは調整の範囲内と言える。
GBTCからの流出が増え、流入ではトップ2のIBIT(ブラックロック)とFBTC(フィデリティ)への資金が減少したことは、これまでETFへの資金流入に支えられた相場にとっては痛手と言えるが、FOMCを通過してIBITへの資金流入はやや復調し始めている。
GBTCからの流出も18日の-6.4億ドルでピークを迎えた格好となっており、市場心理も改善に向かう可能性がある。
他方、20日のFOMCを通過して大幅に反発したBTC相場だったが、今回の会合では昨今のインフレと雇用指標が強めに出たことで、金利見通しが引き上げられることが懸念されていただけに、年内3回の利下げ想定維持は安心材料となった。
上述の通り、肝心の利下げ開始のタイミングについては、「インフレ鎮静化に確信を持てるまで」とパウエル議長は従前からの姿勢を維持した訳だが、今週はスイス国立銀行が主要国中銀では初めて利下げを決定したことで、市場では他の主要国中銀も緩和に舵を切るタイミングが近づいているという期待感が徐々に湧いてくるか。
いずれの材料もBTC相場の復調に決定的な要因となる程ではないかもしれないが、調整は一旦峠を超えたと見て良いか。
テクニカル的に見ても、BTCはドル建てで一目均衡表の基準線やボリンジャーバンドの-2σで反発し売り一服感が窺え、RSIも70%を割って過熱感が解消されており、相場が下げれば押し目買いも入りやすいだろう。
また、BTCドルの4時間足は先週末から逆三尊の形成を匂わせる推移となっており、6.7万ドル台(約1015万円)に位置するネックラインの上抜けに成功すれば、7万ドル(約1061万円)をトライする余地もあるだろう。
BTCは短期での最高値更新は難しそうだが、目先では高値圏での揉み合いを想定している。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコインは大台1000万円突破、高値の攻防が依然続く
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