CoinPostで今最も読まれています

ビットコインは大台1000万円突破、高値の攻防が依然続く|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週3/9(土)〜3/15(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

3/9(土)〜3/15(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は、週明けから上値を追う展開となり、初めて大台の1000万円に乗せるも、ドル建てで史上最高値更新直後に急落を演じた。一方、その後は買い戻しが入り、8日正午時点では1000万円を巡る攻防が続いている。

週明けのBTC相場は、オプション市場でアップサイドを織り込む動きが加速する中、欧州時間から上値を追う展開を演じると、米時間にはブラックロックの現物ビットコインETF(IBIT)の商いが活況となったことに加え、コインベース(COIN)の株価が上昇したことを好感し、初めて大台の1000万円に乗せた。

翌5日のアジア時間には、ドル建てで史上最高値となる6.9万ドル(約1021万円)に肉薄するも、それまで急騰を続けていたシバイヌ(SHIB)相場が急落したこともあり、やや失速。

しかし、先週末に急ブレーキがかかった米国の現物ビットコインETFへの資金流入が週明けに回復したことや、大型アップグレードを控えるETH相場が上昇したことで、BTCは欧州時間から復調。米時間に入るとついに6.9万ドルを更新した。

その直後には利益確定の売りが一気に加速し、BTCはロングの投げを伴って急落を演じ、わずか5時間の間に130万円ほど値を下げたものの、この日の米市場引け後には買い戻しが入り、相場はすかさず950万円を回復。

さらに、相場が急落を演じたにも関わらず、IBITへの資金流入が過去最高の7.88億ドルを記録したことが明らかとなると、相場は6日アジア時間に再び1000万円にタッチした。

ただ、驚異の反発劇を繰り広げたBTCだが、その後は底堅くも上値の重い展開が続き、円建てでは1000万円、ドル建てでは6.8万ドル周辺で上値を圧迫されている。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

先週の時点でBTCは「そろそろ反動が来てもおかしくない」と思えるほどテクニカル的な過熱感があったが、結局はETFへの資金フローが改善したことで、相場は一段と水準を上げ、ついに大台の1000万円に到達した。

勿論のことながらBTC相場の過熱感は健在だが、ETFへの資金流入が続けば、相場が6.9万ドルの上抜けをトライする余地は十分にありそうだ。

ただ、5日米時間の相場急反落から鑑みるに、同水準は利益確定のポイントとして相当に意識されていると指摘され、上抜けの成功にはもう少し弱気筋の売り圧力を疲弊させる必要があるか。先週も指摘の通り、BTC先物市場では引き続きロングポジションの偏りが確認され、6.9万ドルタッチ後に利食いが入れば、再び相場が急落する可能性があり、来週も高値圏で揉み合いが続く可能性が指摘される。

他方、BTCは「半減期直前に史上最高値を更新しない」という通説を覆したことで、半減期サイクルが前倒しとなり、サイクルのスパンが圧縮されるのではないか、という懸念の声も散見されるようになったが、当方ではBTC相場の本格的な強気相場はまだ来ていないという見方である。

ビットワイズのマット・ホウガン最高投資責任者は、先月に行われたCNBCとのインタビューで、「足元の(現物ビットコインETF)の需要は主に個人投資家、ヘッジファンド、独立系フィナンシャル・アドバイザーから」と話しており、大手証券会社は依然として入ってきていないという。

つまり、ETFへの資金流入はこの先も大きくなる余地があるということだ。

BTC相場が史上最高値を目掛ける展開となったことで、個人投資家の関心も回復してきたが、ETFへの資金流入がさらに加速したとすれば、新規層の資金流入も一層加速することが予想される。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:1000万円に迫るビットコイン、先物と現物の価格乖離進む

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/16 月曜日
15:00
テザーなどステーブルコイン発行企業4社、北朝鮮ハッカー集団保有の7億円相当を凍結
ステーブルコイン発行企業4社が北朝鮮ハッカー集団ラザルスの資金と思しき7億円相当の暗号資産(仮想通貨)を凍結した。3年間で280億円のマネーロンダリングも明らかに.。
14:45
コインベースCEO、ブラックロックへのビットコインIOU発行疑惑を全面否定
米大手仮想通貨取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、ブラックロックに対しビットコインの借用証明書(IOU)を発行し、相場操縦しているとの噂を全面否定。ETF運用について説明した。
14:23
イーサリアム次期アップグレード「Pectra」、2段階の実施案が浮上
イーサリアムの次期アップグレード「Pectra」を2段階で実施する可能性を開発者会議が検討中。Pectraの内容も解説。
11:00
仮想通貨ウォレット「BOSS Wallet」でのステーブルコインUSDTの保管方法を解説
ステーブルコインUSDTは、BOSS Walletのような仮想通貨ウォレットでチェーンに関係なく保管できます。この記事はBOSS WalletでのUSDTの保管の仕方についてご紹介します。
10:00
ユーザーファーストの分散型仮想通貨ウェアウォレットBOSS Walletとは
BOSS Walletは、ユーザー中心の分散型仮想通貨ソフトウェアウォレットであり、単一の秘密の復元フレーズで複数のウォレットを作成可能にしています。本記事は特徴や使い方を解説します。
09/15 日曜日
11:30
米CPI・FOMC影響でビットコイン相場が820万円に推移|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション懸念が高まる中、今週の暗号資産市場でビットコイン(BTC)は上下動。FOMCの動向が注目されている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米CPIとXRP投資信託に高い関心
今週は、米CPI、グレースケールのXRP投資信託の販売再開、米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長によるビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
09/14 土曜日
15:00
英高等裁「USDT含むステーブルコインは法律に基づく財産」と判決
英国の高等裁判所がUSDTを法的財産と認定。仮想通貨の法的保護を強化する判決に。背景となった訴訟の詳細を解説。
13:20
「RWAトークン化市場が1.7兆円規模に成長」バイナンスの最新リサーチ
バイナンスが現実資産(RWA)トークン化市場を分析。米国債トークンが牽引し、1.7兆円規模に。法的課題や今後の展望も解説。
12:00
リップルX幹部が語る対SEC裁判やIPO|WebX2024インタビュー
WebX2024でRipple(リップル)X幹部に取材。長年に渡る米SECとの裁判や株式上場(IPO)の可能性、仮想通貨ステーブルコインの開発、日本市場の重要性について語られた。
11:00
FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める
FTX破綻事件において詐欺などで25年の判決を受けたサム・バンクマン=フリード前CEOが控訴。支払能力があったと主張し、再審を要求。
09:38
バイナンスのソラナステーキング「BNSOL」、資産運用の新たな選択肢に
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは12日、独自のソラナリキッドステーキングトークン(LST)である「BNSOL」の提供を正式に開始した。
08:30
米SEC、「仮想通貨証券」の表現を削除
米SECがバイナンスとの裁判で訴状を修正し、仮想通貨証券という表現を削除した。その理由について述べている。
07:30
ワールドコインのワールドID、ソラナブロックチェーンで利用可能に
サム・アルトマン氏の仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」のオンチェーンIDである「ワールドID」はソラナ上でも利用できるようになった。
07:00
新経済連盟、2025年度税制改正提言を発表 暗号資産税制も含む
新経済連盟が2025年度税制改正提言を発表。暗号資産の申告分離課税導入やETF取り扱い可能化など、Web3支援策を提案。日本経済活性化と国際競争力強化を目指し、AI開発やスタートアップ支援も含む16の具体策を提示。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア