Polygon zkEVMが一時停止、10時間のダウンタイムが発生
Polygon zkEVMの一時停止
イーサリアムのレイヤー2ネットワークPolygon zkEVM(Mainnnet Beta)は、最近ネットワーク障害が発生し、3月24日に10時間以上停止した。
L2ネットワーク(こPolygon zkEVM)で生成されたデータが、L1ネットワーク(イーサリアムのメインチェーン)に正常に送信されず、結果的にチェーンに追加されない状況となった。
Polygon zkEVMチームは、X上の投稿でこの停止を公式に認め、「L1のブロック再編成(リオーグ)によってシーケンサーに問題が生じた。現在、問題の完全な解決に向けて取り組んでおり、詳細な事後報告を提供する予定である」と述べている。
ブロックの再編成(リオーグ)とは
分散型ブロックチェーンネットワークにおいて2つのブロックが同時に採掘(生成)された際に発生するチェーン分岐のこと。 後続するブロック数の点でより長いチェーンが正規とみなされ、もう一方のチェーンは削除される。
この障害はPolygon zkEVMに限定されたものであり、PolygonのメインブロックチェーンやPolygonのチェーン開発キット(CDK)を使用して構築された他のチェーン(Astar zkEVMなど)には影響を及ぼさなかった。チームは、第2世代のzkEVMのリリースが今後数週間内に予定されているとの期待を示している。
なお、Polygonエコシステムのネイティブトークンである暗号資産(仮想通貨)MATICは、前週比10%上昇している。(執筆時点)
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Polygon zkEVMとは
Polygon zkEVMは2023年3月27日にローンチされ、イーサリアムの共同創設者であるVitalik Buterin氏が象徴的な最初の取引を行った。これは、イーサリアム仮想マシン(EVM)と互換性を持つゼロ知識証明を活用したスケーリングソリューションである。
Polygon zkEVMは、レイヤー2ネットワークの競争の中で成長を続けており、1.46億ドル(約220億円)の預入資産総額(TVL)で14位に位置するなど、市場における存在感を示している。
L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待することができる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します