SECに有利か、裁判官がコインベースの棄却申し立て認めず
判断を受けビットコイン急落
米ニューヨークのKatherine Polk Failla判事は27日、証券取引委員会(SEC)とコインベースの訴訟を続行する判決を下し、同取引所の棄却申し立てを却下した。
コインベースの敗訴となったわけではないが、SECの一部主張が裁判へと進むと判断されたことを受け、ビットコインは70,000ドルを割り一時68,300ドル台まで急落した。また、コインベースの株価は-3.79%で取引を終えた。
SECの提訴について、Failla判事は、SECはコインベースが取引所、ブローカー、清算機関として運営され、ステーキングプログラムを通じて無登録の証券販売に従事していたことを「十分に主張した」と述べた。
一方、裁判官は、コインベースが顧客がウォレットアプリケーションを利用できるようにしたときに、無登録ブローカーとして運営していたというSECの主張を取り下げることを決定した。
SECは、2023年6月にコインベースに対して訴訟を起こし、同社が2019年以降、SECに登録せずに米国内でブローカー業務、全米証券取引所、清算機関を運営していたと主張。さらに、コインベースが取り扱っている12以上の資産が有価証券に該当するという見解や、コインベースがステーキングプログラムを通じて未登録証券を提供し、証券法に違反したとも主張した。
コインベースは当時、SECの主張に反発し訴訟を棄却するよう申し立て、規制当局が”強制執行による規制”をとっていると非難していた。
コインベースのPaul Grewal最高法務責任者はSNSで、「本日、裁判所はSECのほとんどの請求について前進することを決定したが、Coinbase Walletに対する請求は棄却された」、「私たちはこのために準備している。仮想通貨規制に関するSECの内部の見解や議論についてさらに明らかにすることを楽しみにしている」とコメントした。
また、コインベースのArmstrong CEOは、セルフ・カストディウォレットに関する主張の棄却について、「SECの裁判に大きな進展があり、自己運用ウォレットに大きな勝利がもたらされた。これにより、オンチェーン・エコシステムは世界中で革新を続け、経済的自由を創出し続けることができる。私たちは、仮想通貨を使用する権利のために、そしてルールを明確にするために、仕事が終わるまで戦い続ける」と語った。
裁判に関する今後の日程については、この訴訟は裁判に進み、陪審員に提出されることになるが、そのプロセスは2025年まで始まらないとされる。SECとコインベースはまた、4月19日までに訴訟管理計画案を提出しなければならないという。
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