チェーンリンク、高度なセキュリティを提供するブリッジアプリ「Transporter」を発表
クロスチェーン相互運用性システムを活用
分散型オラクルネットワークのチェーンリンク (LINK)は11日、「クロスチェーン相互運用性プロトコル(CCIP)」上に構築された、安全性の高いブリッジアプリ「Transporter」(トランスポーター)のリリースを発表した。
Chainlink CCIPを搭載したクロスチェーンブリッジの次の進化であるトランスポーターをご紹介できることを嬉しく思います。 トランスポーターはマルチチェーン領域へのゲートウェイです。 信頼できるクロスチェーン: transporter.io
CCIPは、複数の独立した分散型オラクルネットワークを活用することで、レベル5のセキュリティを備えたクロスチェーンソリューション。異なるプログラミング言語およびチームによって構築されたリスク管理ネットワークを特徴としており、CCIPネットワークの監視と検証は全て個別に実装され、高度なセキュリティを提供している。
CCIPは昨年、Swift(国際銀行間通信協会)とBNYメロンやBNPパリバ、Citiらの大手金融機関と、複数のブロックチェーンをまたいだトークン化した資産の移動の実証実験で活用された。SWIFTは数年にわたり、チェーンリンクと共同で概念実証に取り組み、成功してきた経緯がある。
SWIFTとは
「Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication(国際銀行間通信協会)」の略で、銀行間の国際送金を可能にする通信ネットワークを提供する非営利法人のこと。このネットワークには、世界200カ国超の11,000以上の金融機関が接続している。
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安全で使いやすいブリッジ
トランスポーターはチェーンリンク財団とチェーンリンク・ラボの協力の下開発され、複数のネットワーク間で暗号資産(仮想通貨)やデータの移動を可能にするブリッジアプリだ。
トランスポーターは、初心者にも使いやすいユーザーインターフェースと、シンプルな操作性を実現。ユーザーには24時間、専任サポートも提供される。また、チェーン間の転送状況をリアルタイムで可視化するトラッカーを提供することで、ユーザーが安心感を得られるような機能も備えている。
さらに、クロスチェーン取引には、送付元と送付先の二つのチェーンでトランザクションが発生するが、CCIPのスマート実行機能により、ユーザーは送付元のチェーンの手数料のみを支払う仕組みとなっている。
チェーンリンクの共同創設者セルゲイ・ナザロフ氏は、「トランスポーターを使用することで、チェーン間で大量のトークンや重要なメッセージを転送する際に、チェーンリンクのCCIPのセキュリティ上の利点を容易に活用することが可能になる」と説明。その重要性を次のようにまとめた。
チェーン間で価値とデータの両方を移動させる安全な方法を持つことは、ブロックチェーン業界が長年にわたって必要としてきたものであり、トランスポーターがそのアクセス改善に寄与することを嬉しく思う。
トランスポーターは、まずイーサリアム (ETH)、オプティミズム(OP)、アービトラム(ARB)、アバランチ(AVAX)、BASE、BNBチェーン(BNB)、ポリゴン(MATIC)、WEMIXのブロックチェーンで利用可能になる。
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ブリッジの脆弱性に対処
DeFi Llamaのデータによると、2016年以降、分散型金融(DeFi)に対するハッキング被害は、58.5億ドル(約8,960億円)に上り、そのうちクロスチェーンブリッジに対する攻撃がほぼ半数を占めている。
チェーンリンクの広報担当者は、安全なブリッジは急速に成長しているDeFi分野を、より多くの主流ユーザーに開放するための鍵となると述べている。
トランスポーターは、この数兆ドル規模のエコシステム全体で、ユーザーが仮想通貨を高度に安全な方法で移動することを可能し、断片化されたオンチェーン環境をつなぎ、サイロ化された流動性を解き放つのに役立つ。
チェーンリンクについて
チェーンリンクは、トランザクション価値を参照する基盤として機能する分散型オラクルネットワーク。現実世界資産(RWA)やオフチェーンデータの配信、さらには異なるブロックチェーン間での安全なメッセージング機能も備えている。
チェーンリンクは、世界の銀行や金融機関、分散型金融(DeFi)、国際取引、ゲーム業界など多岐にわたる分野でアプリケーションと市場の基盤を支えており、安全なクロスチェーン相互運用性へのアクセスを提供することで、10兆ドル(1,530兆円)を超える取引を可能にしてきた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します