米コインベース、ビットコインのライトニングネットワークを導入

BTC送金が低コスト、高速に

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは30日、Lightsparkと提携してビットコイン(BTC)のライトニングネットワークを導入したと発表した。

コインベースのユーザーは、従来のビットコインネットワークの他、ライトニングネットワークを利用して、より高速で安価に取引を処理することもできるようになった。

コインべースは、これによりビットコインを送金するコストは、クレジットカード取引手数料の平均である2%の20分の1程度になるとしている。

これまでコインベースでのビットコイン送金には10分から2時間までの範囲で処理時間がかかり、さらにネットワークの混雑時には高額な手数料が発生することもあった。ライトニングネットワークにより低コストの即時送金が可能になった格好だ。

コインベースは、「1秒1セントのグローバル決済システムを構築するという当社の使命を進めることになる」とも述べた。

どの地域で今回の機能が使えるようになるかは明言されていない。ケースバイケースで地域ごとに導入が決定されていく。

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ライトニングネットワークとは

ビットコインのトランザクション処理能力を解消するため、レイヤー2を利用したオフチェーン技術のこと。ライトニングネットワークを導入すれば、混雑しがちなブロックチェーンの外で取引を行うことができ、取引の高速化や手数料削減につながる。取引の高速化や手数料削減が実現すれば、少額決済が行えるようになるため、それによって新しい商品やサービスが生み出されることも期待されている。

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立ち上げ時は出金上限を設定

コインベースでライトニングネットワーク導入を主導するビクター・ブニン氏によると、コインベースのライトニング取引では、送信時にのみ0.1%の手数料がかかり、数秒以内に処理される見込みだ。

立ち上げ時には、Coinbaseユーザーの出金は最大2,000ドル(約32万円)に制限され、出金手数料の上限は2ドルになる。手数料はイーサリアム(ETH)レイヤー2よりは高いものの、ビットコインのチェーンよりも低い。

ブニン氏は、上限を設定した理由について次のように説明した。

保守的な上限に設定したのは、ライトニングは大規模なビットコイン送信を行うことができるものの、支払いサイズが大きくなるにつれて平均成功率も低下するためだ。

立ち上げ時に上限を設定することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができる。上限については、ユーザーの意見やネットワーク上の流動性に応じて調整していけるだろう。

今回コインベースと提携したLightsparkは、ライトニングネットワーク決済インフラを提供する企業だ。同社のデビッド・マーカスCEO兼共同創設者は、PayPalやメタ社のステーブルコインDiemのプロジェクトなどで働いてきた経歴の持ち主である。

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