米マイクロストラテジー、ビットコイン利用の分散型IDを発表

企業向け分散型IDプラットフォーム

ビットコイン投資戦略で知られる米マイクロストラテジーは2日、ビットコインブロックチェーン上に構築された分散型IDプラットフォーム「MicroStrategy Orange(マイクロストラテジー・オレンジ)」を発表した。

分散型アーキテクチャや改変できない台帳など、ビットコインチェーンの特性を活用して、ID関連データの耐改ざん性、分散ストレージ、そこからのデータ取得を実現しようとするものだ。

マイクロストラテジーのエンジニアリング担当責任者セザリー・ラツコ氏によると、「MicroStrategy Orange」の中心となるのは、ホスト型のクラウドサービスであり、企業が組織内のユーザーにIDを発行できるようにするものだ。

また、Orangeのソフトウェア開発キットを使用すると、プログラマーはOrangeの機能を、自社独自のアプリケーションやシステムに統合できるようになる。

ラツコ氏は採用事例として、Eメールへの署名を挙げた。フィッシングなど詐欺メールが横行する中、メールの送り主の身元確認が求められる状況を背景としている。

Orangeを利用すると数時間で1万人がIDを使えるようになると述べた。

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分散型IDとは

英語でDecentralized Identity(DID)。ブロックチェーンや分散型台帳に、各機関(政府、大学など)から本物であると保証されたユーザーのID情報を記録する。ユーザーは自分の情報を自己管理し、生年月日など個人情報自体を明かすことなく、年齢などを第三者機関に証明することができるようになる。

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Orangeの仕組み

ラツコ氏によると、ある企業のOrange管理者が、ワンクリックでメンバーに招待メールを送り、受け取った者が招待を受け入れると、分散型識別子および公開鍵と秘密鍵のペアが生成される仕組みだ。

分散型識別子と公開鍵をOrangeサーバーに送信して、ビットコインブロックチェーン上に記録する。その時点から、Orangeによる署名付きの電子メールを送信する準備が整う。

ラツコ氏は、ビットコイン上に記録されるIDを、大学の学位、コース認定書、医療記録など様々な資格情報や証明書などに活用する可能性も追及していきたいと話した。

マイクロストラテジーはOrangeの使用についてドラフトをgithubに公開している。これによると、OrangeのDIDは、ビットコイン・オーディナルと類似した記録方法を取るが、DIDに関連するデータのみ保存する。

このことで、サイズやコンテンツにほとんど制限が課せられることなくドキュメントを作成できるようになる見込みだ。

分散型IDはIDをブロックチェーンなどに登録することで、ユーザーが個人情報を明かすことなく、身元確認情報を証明することができるようにするものである。

昨年12月には、中国の政府関連団体が主導するブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)が、国民の使用できるDIDプラットフォームを立ち上げた事例などがある。

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