CoinPostで今最も読まれています

中国政府が14億人国民向けに分散型IDプラットフォーム開設 国民監視を否定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「実名DID」システムを立ち上げ

中国の政府関連団体が主導するブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)は9日、ブロックチェーンベースのID(身元確認情報)検証プラットフォーム「実名DID(RealDID)」を立ち上げたと発表した。

BSNは、RealDIDにより、ユーザーが自分のデジタルIDや個人情報の使用をコントロールできるようになるとしている。中国国民は、DIDアドレスを使用して、各種ウェブサイトに匿名で登録・ログインできるようになる形だ。

この機能により、トランザクションと個人データのプライバシーが確保され、ウェブサイトは、必要最小限の個人情報のみにアクセスすることになる。

BSNは、RealDIDは、国家レベルで運営される世界初の実名分散型IDシステムだと述べた。中国の約14億人の国民に対して、このRealDIDが適用される時期についてはまだ明らかになっていない。

分散型IDとは

英語でDecentralized Identity(DID)。ブロックチェーンや分散型台帳に、各機関(政府、大学など)から本物であると保証されたユーザーのID情報を記録する。ユーザーは自分の情報を自己管理し、生年月日など個人情報自体を明かすことなく、年齢などを第三者機関に証明することができるようになる。

▶️仮想通貨用語集

関連分散型アイデンティティ(DID)と自己主権型アイデンティティ(SSI)の進歩|新たなユースケースとは=XSL Labs寄稿

国民監視の懸念は?

RealDIDは、BSNの開発チームと、中国公安省(警察に相当)が全額出資するテクノロジー企業「中屯安信」および中国移動設計研究院が協力して立ち上げるものだ。

BSNのブロックチェーンサービス・ネットワークと、CTIDデジタル・アイデンティティ・チェーンという2つのインフラを完全に統合し、「フロントオフィスでは匿名、バックオフィスでは実名」という管理要件を満たしている。

CTIDとは、住民IDカードに含まれる識別情報(名前、ID 番号、有効期限など)をアプリ化したものだ。中国の公安部のネットワークと身分証プラットフォームの個人情報を連携させ、顔認証システムなどで身元確認を行う。

交通・旅行、医療・ヘルスケア、金融サービス、デジタル通信など多くの分野で活用されている。

CTIDについては国民監視に使えると指摘する声もある。各種ウェブサイトでの履歴が一つのIDに集約されて当局に把握可能となるという点では、RealDIDについても、プライバシー擁護の点から懸念が浮上する可能性もありそうだ。

BSNは、RealDIDについて、匿名ログインの他にも、個人データがプラットフォーム間で転送される際に暗号化されることを保証する「暗号化サービス」や、ビジネスプラットフォームが個々のユーザーにビジネスDIDを提供することをサポートする「ビジネスDIDサービス」などの機能を説明している。

ビジネス・プラットフォームが特定のユーザーのデータで他のビジネス・プラットフォームとやり取りする時にも、ユーザーはプライバシーを保護しながら、ビジネス処理を完了することが可能になるとされる。

関連CBDCによる監視社会に反対する法案、米下院金融委員会で承認

政府公認のNFTプラットフォーム

中国は1月、NFT(非代替性トークン)やその他デジタル資産のための二次取引プラットフォーム「中国デジタル取引プラットフォーム(CDEX)」を立ち上げたところだ。

中国政府は暗号資産(仮想通貨)を厳しく取り締まっており、NFTも仮想通貨では購入できない「BSN分散型デジタル証明書(BSN-DDC)」の形をとることになる。

BSNに技術サポートを提供するRed Date TechnologyのHe Yifan CEOは昨年、BSN-DDCは、最大の市場として、車のナンバープレートや学校の卒業証書など、証明書管理の分野を見込んでいると話していた。

関連中国の政府関連ブロックチェーンサービス、NFTインフラ立ち上げを計画

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア