はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

CBDCによる監視社会に反対する法案、米下院金融委員会で承認

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDCによる国民監視を懸念

米下院金融委員会は20日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルドルが国民監視に使用されることを阻止する法案を承認した。この先、下院での審議に移る予定だ。

この法案は、連邦準備制度が国民監視に使用できるようなリテール向けデジタル通貨を発行することを禁止することを目的としている。また、政府がデジタルドルを進める際には、米国議会による明確な許可を得ることを義務付けるものだ。

現金のようなプライバシー保護を維持するデジタル通貨のイノベーションや開発を保護する内容も盛り込んでいる。

ただ、仮に共和党主導のこの法案が下院全体で承認された場合でも、上院は民主党が多数を占めているために、そこでの可決については困難があるとみられている。

エマー議員による趣旨説明

この法案を起草したトム・エマー下院議員は、「拡大し続ける監視国家から国民を守るための重要なステップ」となったとして、次のように説明している。

(ビットコインなどのような)分散型の暗号資産(仮想通貨)とは異なり、CBDCは法定通貨のデジタル形式だが、政府が設計・発行し、政府によって管理されるデジタル台帳で取引されるものだ。

つまり、CBDCは、政府が管理しプログラム可能な通貨であり、現金のように設計されていない場合には、連邦政府に国民の取引を監視し、制限する能力を与える可能性がある。

エマー議員は、CBDCが国民監視に使われる場合、それは「アメリカ的ではない」と述べている。

例えば、中国共産党もCBDCであるデジタル人民元を模索しているが、国民の支出習慣を追跡し監視するために使おうとしているとも主張した。

中央銀行デジタル通貨は、自由に参加できるオープンなもので、現金と同様に取引などが非公開となるものである必要があり、そうでなければ国民監視ツールにすぎないと続けている。将来の世界的なデジタル経済には、個人の自由を尊重するようなアメリカ的な価値観が必要だと述べる格好だ。

エマー議員の法案は、米国のデジタル通貨政策が、政府ではなく国民の手に委ねられることを保証し、プライバシー、個人の主権、自由市場での競争といったアメリカの価値観を反映させるものだとも話した。

エマー議員は、この法案はこれまでに60人の議員と、独立コミュニティ銀行協会やアメリカ銀行協会、ブロックチェーン協会その他複数団体の支持も得ていると説明している。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

FRB副議長の発言

米連邦準備制度理事会(FRB)のマイケル・バー監督担当副議長は8日、デジタルドルについてはまだ「基礎研究」段階であり、何かを決定するにはほど遠いと述べた。

また、たとえ調査段階が完了したとしても、「政府からの明確な支持と、議会による法案の承認」がなければ、デジタルドルを前進させることはないとも強調している。

なお、FRBは7月、新しい即時決済システムとして「FedNow Service」を本格稼働させた。

関連米中銀の即時決済システム「FedNow Service」が本格稼働、CBDCとの違いを説明

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/24 水曜日
17:57
2025年の調整局面 過去サイクルの「仮想通貨の冬」との違いは?
2025年後半、仮想通貨市場は調整局面を迎えている。しかし過去2度の「冬」とは決定的に異なることがある。トランプ政権の支援、ETF普及、規制整備が同時進行。従来の4年サイクルが崩れる可能性も。2026年の市場展望を専門家の見解とともに解説する。
16:51
ガーナで仮想通貨取引が合法化、2024年取引高は4700億円規模
アフリカのガーナ議会が仮想資産サービスプロバイダー法案を可決し、約300万人が利用する仮想通貨取引を正式に合法化。中央銀行がライセンス発行・監督を担当し、2024年の取引高は4,700億円規模。個人の取引を保護しつつ、事業者には厳格な規制を適用する新たな枠組みを解説。
14:17
ビットコインとイーサリアムに資金集中 仮想通貨市場は年末調整局面へ=Wintermute分析
大手マーケットメーカーWintermuteの分析によると、仮想通貨市場ではビットコインとイーサリアムへの資金集中が加速。機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持し、個人投資家もアルトコインから主要通貨へローテーションを開始している。
13:25
取引所クリプトドットコム、スポーツ予測市場でトレーダー募集 利益相反の懸念も
仮想通貨取引所クリプトドットコムがスポーツ予測市場のトレーダーを募集している。流動性提供を担当する職務内容だが、利益相反に当たるとの議論も浮上している。
10:20
ブラックロック、ビットコインETFを「今年の3つの投資テーマ」に選出
最大手資産運用会社ブラックロックが、仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」を2025年の上位3つの投資テーマに選出した。米国債などと並ぶ投資先として位置づけている。
09:46
コインベースがベース経由でSOL入出金に対応
コインベース取引所が23日、ベースネットワーク経由でのSOL入出金機能を開始。チェーンリンクとの協力により、外部ブリッジを使わずソラナとベース間の直接送金が可能に。ただし日本を含む一部地域では利用制限あり。
09:45
IMF「エルサルバドルのBTCプロジェクトに関する議論は継続中」
IMFは、エルサルバドルに関する職員の報告を公開。報告は40カ月間の中期融資制度のレビューに関する内容で、同国の仮想通貨ビットコインのプロジェクトにも言及している。
08:30
米Amplify ETFs、ステーブルコインとトークン化特化の新ETFを上場
米Amplify ETFsがステーブルコイン技術とトークン化技術に投資する2つの新ETFを発表した。ステーブルコイン市場は2030年に3兆7000億ドル、トークン化資産は3兆6000億ドルへの成長が見込まれている。
07:20
ロシア中銀、適格投資家以外の仮想通貨購入の認可を政府に提案
ロシア中銀は、仮想通貨規制のコンセプトを考案して政府に対して法改正の提案を行ったと発表。提案の内容や今後の計画を説明している。
06:55
ソラナ特化型ウペクシ社、シェルフ登録で柔軟な資金調達体制を構築
米上場のソラナ特化型企業ウペクシが米SECにシェルフ登録届出書を提出し、未使用のエクイティラインを解約する計画を発表した。資本調達の効率性向上とコスト削減を目指す動きとなる。
06:20
ビットコイン、金・銀と乖離し上昇に遅れ 大口売り圧力が要因に
仮想通貨ビットコインは金や銀と異なり最高値から30%下落したまま推移。8月以降ナスダックとの相関が乖離し、大口プレイヤーからの売り圧力が上昇を阻んでいると分析された。
05:35
米アリゾナ州、仮想通貨免税法案を提出
米国アリゾナ州で仮想通貨を州税から免除する法案が提出された。連邦レベルでは200ドル未満のステーブルコイン取引を非課税とする超党派法案の草案が発表された。
12/23 火曜日
18:30
CircleのStableFXとは?外国為替をステーブルコインで効率化する戦略を読み解く
1日1,400兆円超のFX市場に、Circle社がステーブルコインで挑む。StableFXの仕組み・強み・日本円ステーブルコインJPYC採択の背景まで、戦略を読み解きます。
18:16
ビットコイン、インフレ調整後の購買力ベースでは10万ドル突破せず=Galaxy分析
ギャラクシー・デジタルの研究者がインフレ調整後、ビットコインは「真の10万ドル」に未達と指摘。しかし日本の投資家は円安効果により米国投資家を大きく上回る実質リターンを獲得。円キャリートレードの典型例を分析。
18:00
edgeX(エッジエックス)とは?エアドロップ情報・使い方を解説
edgeX(エッジエックス)は累計取引高5,900億ドル超の永久先物DEX。独自トークンの発行やエアドロップも予定されています。本記事では特徴や使い方、流動性提供の方法、手数料・リスクまでわかりやすく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧