ビットコイン現物ETFに5月の最大規模の資金流入、直近はアークとフィデリティが牽引
アークとフィデリティが牽引
米国で2日連続して現物型ビットコインETF(上場投資信託)に対する巨額の資金流入が確認された。
特に、CPI(米消費者物価指数)発表が市場予想を下回ったことを受け、株やビットコイン(BTC)などのリスク資産が買われた15日(米国取引日)の合計純流入額は3億ドル(462億円)に及んでおり、5月3日の3.78億ドルに次ぐ規模である。
FarSideInvestorsによると、14日には米資産運用会社アーク・インベストが運用する「ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB)」に1日で1.33億ドル(約200億円)の純資金流入があった。また、15日にはフィデリティの「Fidelity Wise Origin Bitcoin ETF(FBTC)」に対して同規模の純流入が確認された。
この水準は、5月における単一銘柄への純流入額としては最大規模である。
1月11日のローンチ直後から牽引してきたブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、直近ではフィデリティやアークの金融商品が追従している。
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ヘッジ手段としてのビットコイン
14日にはグレイスケール・ビットコイントラスト(GBTC)から5,100万ドルの純流出が確認されたものの、ビットコインETF(11銘柄)合計の純流入額は1億ドルを超えた。15日にはGBTCを含む全てのETFに流入があり、合計額で3億ドル(462億円)となった。
SoSo Valueのデータによると、米国上場のビットコイン現物ETF(11銘柄)に対する現在までの累積純流入額は121億ドル(1.86兆円)に達している。ETFの取引量は3月5日にピークを迎えて以来、徐々に減少傾向にあった。
BTC Marketsのアナリスト、レイチェル・ルーカス氏は海外仮想通貨メディアThe Blockの取材に対し、「多額の資金流入は、投資アドバイザーやヘッジファンド・マネジャーがビットコインETFを特有のヘッジ手段とみなし、伝統的な資産クラスでは提供できない分散投資のメリットを提供していることを示唆している」と語った。
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