DMMビットコインの不正流出、北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」が関与か

流出したビットコインを追跡

ブロックチェーンの分析を行うZachXBT氏は14日、DMMビットコインから不正流出した暗号資産(仮想通貨)ビットコインの内、3,500万ドル(約55億円)超相当が資金洗浄され、「Huione Guarantee」と呼ばれる電子市場に送られていると報告した。

この金額は発表時点のデータであるとZachXBT氏は説明。そして、資金洗浄のやり方やオフチェーンの情報をもとに、この不正流出には、北朝鮮政府が支援しているとみられるハッカー集団「ラザルス」が関与している疑いがあると指摘している。

ZachXBT氏は他にも、先週末の間にテザー社がHuione Guaranteeに関連するウォレットをブラックリストに入れたと報告。これはトロン上のウォレットで、2,960万ドル(約46億円)相当のUSDTを保有していた。

同氏の分析によれば、このウォレットにDMMビットコインから不正流出した1,400万ドル(約22億円)相当の資産が送金されているという。

また、ZachXBT氏は資金洗浄のおおまかな方法について「ミキシングサービスを使用されたビットコインが、イーサリアムやアバランチなどのブロックチェーンを経てUSDTに交換され、トロンのブロックチェーンを経由してHuione Guaranteeに送られた」と説明した。

ミキシングサービスとは

仮想通貨の取引データを複数混ぜ合わせることによって、その仮想通貨の出所や保有者のアイデンティティを隠すサービス。

▶️仮想通貨用語集

Ellipticらの情報によれば、Huione Guaranteeは東南アジアの詐欺師らに広く使われている電子市場。拠点はカンボジアにあるとされる。この電子市場は、カンボジアの支配者一族とつながりがあるとみられている。

10日のEllipticのレポートによれば、Huione Guarantee上の商売人は、資金洗浄サービスも提供しているという。そして、Ellipticのアナリストは、Huione Guarantee自体や商売人の仮想通貨ウォレットが、2021年以降に合計110億ドル(約1.7兆円)以上の資産を受け取っていることを突き止めたと説明していた。

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不正流出について

DMMビットコインは5月31日、同社のウォレットから4,502.9BTC(当時のレートで約482億円相当)が不正流出したと発表した。

この時の発表は第一報で、現在DMMビットコインは第三報まで情報を更新している。第三報では、ユーザーに保証する流出相当分のビットコインについて、6月14日に調達が完了していると伝えた。

一方、不正流出の原因については調査を継続していると説明。詳細が判明しだい、速やかに知らせるとしている。

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