韓国政府、仮想通貨所得への20%課税を2028年まで延期検討
さらなる延期を検討中
韓国政府は、暗号資産(仮想通貨)所得への20%課税を、さらに延期して2028年からとすることを検討している。現地メディアが14日に報じた。
韓国では当初、2021年10月から課税が開始される予定だったが、再三この時期が延期されているところだ。2022年には、2025年まで繰り延べとすることが決定されている。今回の案は、これをさらに延長するものだ。
これまでの延期は「仮想通貨投資家の負担と市場混乱が懸念される」ということを主な理由として行われてきた。
仮想通貨市場の関係者は最近、「3月の日次取引量が20兆ウォン(約2.3兆円)台だったが最近2兆ウォン台に急減した」と報告し、仮想通貨所得への課税が開始すれば、多くの投資家が去り、取引がさらに縮小するだろうと主張していたところだ。
韓国では、2025年初めに施行予定だった金融投資所得税も延期する気運が高まっており、これと足並みをそろえるべきとする状況も背景にある。
金融投資所得税は、例えば株式投資の場合、5,000万ウォン(約570万円)を超える所得を得た投資家に、こうした所得の20%を基本として税金を課すものだ。
さらに、制度的準備が整っておらず、本格的な課税が現実的に難しいという指摘もある。仮想通貨を分類し、業界内で業種の詳細を規定するなどの立法がなされる必要があるという意見も挙がっていた。
ただ、すでに数回延期されていることから、「所得ある所に税金がある」という課税原則がないがしろになっているという反対意見も多い。
また、準備が整っていないのは政府が必要なことをしなかったからであるという声が上がっている。さらに、もし2028年まで延期されれば、その年4月には総選挙が行われるため、選挙を控えた政権がまた課税猶予に乗り出す可能性が高いと懸念する者もいる。
韓国政府は7月末に、来年度の税法改正案を発表し、その際に仮想通貨税制についても決定する見込みだ。
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なお、日本では現状、仮想通貨所得には累進課税で最大45%が課税されている。日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事の加納 裕三氏は6月、申告分離課税・損失の繰越控除の導入などを今年度の重要テーマとして取り上げたいと話している。
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仮想通貨投資家は640万人以上
韓国金融委員会の報告によると、韓国内の仮想通貨投資家は2023年末時点で、645万人に達している。そのうち、30代が189万人、40代は186万人だった。
世論を主導しているとみられる30~40代が半分以上を占めていることで、政権が仮想通貨投資家の存在を意識しているとの指摘もされている。
韓国の仮想通貨市場は世界的に見ても活発だ。仮想通貨データプロバイダーKaikoによると、2024年第1四半期(1~3月)の、中央集権型取引所における取引高で、韓国ウォンが米ドルを上回った。
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