存在感を増す韓国市場
韓国のWeb3戦略コンサル企業「DeSpread」は22日、同国の暗号資産(仮想通貨)市場の特性をまとめたレポートを発表。仮想通貨に対するコミュニティの強い関心に支えられ、世界市場で存在感を増していることが明らかになった。
レポートは、メッセージアプリTeregramのチャンネルやGoogleトレンド、X、カカオトークなどのさまざまな・プラットフォームからのデータを調査し、2023年の韓国の仮想通貨コミュニティ独自の特徴と、主要な傾向について細かく分析した。
はじめのトピックは2023年に、韓国の取引所Upbitがスポット市場において、バイナンスに次いで世界最大の取引量を記録したことだ。
韓国の取引所はビットコインやイーサリアムよりも、アルトコインの取引が大きいという特徴を持つという。
例えば、昨年8月、ビットコインのL2プロジェクト「Stacks」の世界取引高の90%が韓国の取引所で発生し、イーサリアムのNFTマーケットプレイス「Blur」のトークンに関しては、60%の取引が韓国の取引所で行われた日もあったとレポート。
そのため、主要アルトコイン取引に対する韓国市場の影響は大きいと考えられる。
DeSpreadは昨年のレポートで、多くの韓国の個人投資家は、高いリターンを得られる可能性を秘めたアルトコインに強い関心を示し、それに伴う高いリスクを受け入れる傾向があると分析している。
仮想通貨投資に高い関心
レポートでは、Googleトレンドを利用して、韓国と米国、日本の3カ国における「株」と「コイン」の検索数を比較したところ、韓国の仮想通貨への関心が著しく高いことが判明した。
米国では株の検索数が仮想通貨の約20倍だったのに対し、日本では株の検索数がコインの約7倍となった。一方、 韓国では、コインの検索数が株式よりも約25%多い結果となった。
このような仮想通貨への関心の高さは、実際の投資家の人数にも反映されている。
韓国の株式投資家の人口は約1,441万人で人口の28%に当たるという。それに対し、中央集権型取引所の口座に基づいた韓国の仮想通貨投資家の推定数は約627万人で人口の12%を占める。
仮想通貨リサーチ企業Kaikoのレポートによると、2024年第1四半期(1~3月)の韓国ウォンの対仮想通貨取引高は約4,560億ドル(約71兆円)となり、米ドルの4,550億ドル(約70兆円)を超えて世界の法定通貨でも首位に立った。
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Telegramチャンネルの分析
韓国の仮想通貨投資家の間では、他国と比べてX(旧ツイッター)の利用率は低く、Telegramやカカオトークなどのメッセージアプリ基盤のコミュニティが非常に活発だとレポートは指摘した。特に価格や市場分析を中心に議論が展開されているという。
レポートは、Telegramの110のアクティブな韓国語仮想通貨チャンネルを分析し、2023年のトレンドに関するキーワードをまとめた。
「ビットコイン」、「NFT」、「エアドロップ」が上位にランクイン。全体的に、オンチェーン活動を通して、無料で利益を得る機会に対して関心が高いことがわかった。
月毎の分析結果は以下の通り:
- 1月: マクロ経済の不確実性
- 2月: シルバーゲート銀行とシリコンバレー銀行の破産
- 3月: USDCのデペッグ
- 4月: ミームコインブームと次世代L1ブロックチェーンSUIのローンチ
- 5月: BRC-20と規制
- 6月: 中央集権型取引所の連続倒産
- 7月: SECに対するリップル社の部分的勝利、ワールドコインのローンチ、日本市場(「WebX東京」関連)
- 8月: Curveのハッキング、SEIローンチ、ビットコイン現物ETF
- 9月: KBWとフレンドテック
- 10月: MEMEトークン、ファントークンSPURS上場
- 11月: Celestia(TIA)メインネット立ち上げとエアドロップ
- 12月: Web3 ゲーム「Fusionist」(バイナンスのLaunchpool プロジェクト)、WEMIXの再上場
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