ソラナは証券か商品か? VanEckが見解 ソラナETF申請の行方

ソラナを商品とみなせる可能性

米大手資産管理会社VanEck(ヴァンエック)のデジタル資産リサーチ部門を率いるマシュー・シーゲル氏は21日、ソラナなどの暗号資産(仮想通貨)が今後、商品(コモディティ)として扱われる可能性を提示した。

シーゲル氏は、裁判所や規制当局は法的に、ある仮想通貨が一次市場では証券として機能するかもしれないが、二次市場(流通市場)ではコモディティのようにふるまう可能性があることを認識し始めたと意見している。

特に、2018年に米商品先物取引委員会(CFTC)が詐欺的な仮想通貨企業My Big Coinを告発した事件を参照。この際、裁判官はMy Big Coinの独自トークン$MBCを天然ガスのケースの類推から、コモディティとみなしていた。

先物契約が存在しない仮想通貨でも、商品取引法に基づいたコモディティとしてみなす判例となっており、CFTCが様々な仮想通貨をコモディティとして監督できる可能性を開くものだ。

現在、ヴァンエックと21シェアーズがソラナ現物ETFを米証券取引委員会(SEC)に申請しているところだが、取引所側の提出する申請書類(19b-4様式)が取り下げられたことが確認されている。

21シェアーズについては、米SECとの間でソラナの証券性について議論がなされ、その結果取り下げに合意したと伝えられるところだ。

SECは、対バイナンス裁判などで、ソラナが証券であると主張してきた。このことを踏まえると、ソラナETFの承認について慎重になっていることがうかがえる。

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「ソラナの分散化が進んでいる」

取引所側の提出する申請書が取り下げられたにもかかわらず、シーゲル氏は強気だ。ヴァンエックは「ETFの目論見書(S-1様式)の責任を負っている。この目論見書は引き続き有効だ」と発言している。

S-1様式は、ETFについて発行企業が提出する申請書である。シーゲル氏はソラナETFの申請を諦めていない姿勢を示した形だ。

シーゲル氏は、ソラナはビットコインやイーサリアムと同様にコモディティだと考えられるとして、次のように指摘した。

過去1年間で、ソラナの分散化は大きな進歩を遂げた。現在、上位100の保有者が供給量の約27%を管理している。この数字は1年前と比べて大幅に減少した。さらに、上位10のアドレスが保有する量も9%未満となった。

また、まもなくメインネットローンチを予定するFiredancer(ファイアダンサー)も、単一の主体がブロックチェーンを支配できないようにして、ソラナの分散化を促進すると続けている。

ヴァンエックは、こうした点を規制当局にも伝えていく姿勢だ。

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「民主党政権では困難」との声も

一方で、識者からは特に現民主党政権下でソラナ現物ETFの承認は難しいとの意見が上がっている。

ブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、ソラナ現物ETFが2024年に実現する可能性は「ほぼゼロ」であり、「ハリス氏が勝てば、2025年の可能性もほぼゼロだろう。私の意見では、唯一の希望はトランプ氏が大統領選に勝つことだ」と述べた。

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