仮想通貨投資商品から500億円超流出 センチメント悪化の要因は?
CoinSharesの週次レポート
暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesは2日、週次レポートを発表。仮想通貨投資商品への資金流入状況を報告した。
先週には3億500万ドル(約514億円)の流出があり、さまざまな商品や地域に渡って、ネガティブなセンチメントが広がっていることが明らかになったとしている。CoinSharesはこの原因について、次のように分析した。
予想よりも強い米国の経済データによって、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を50ベーシスポイント(0.5%)引き下げる可能性が低くなったことが原因だと考えられる。
連邦準備制度が方針を転換する時点が近づくにつれ、この資産クラス(仮想通貨投資商品)は金利予想にますます敏感になっていくと予想する。
銘柄・地域別の状況 ソラナは流入超過
銘柄別で流出額が特に多かったのはビットコインで、3億1,900万ドル(約469億円)だった。ショートのビットコイン投資商品については、2週連続で流入額が440万ドル(約6.5億円)に達している。CoinSharesは「ネガティブなセンチメントはビットコインに集中している」と述べた。
以下の画像は、CoinSharesによる銘柄別の流出入額についての表である。
イーサリアムからは570万ドル(約8.4億円)の流出が見られた。取引量は停滞し、米国でETFが立ち上げられた週の水準と比べて、15%にとどまった形だ。
一方で、ソラナは逆風の中でも760万ドル(約11億円)の流入を集めている。また、ブロックチェーン株もトレンドに逆行し、100万ドル(約1.5億円)の流入があった。特にビットコインマイナー(マイニング企業)に特化した投資商品が牽引している。
地域別に見ると、米国では合計3億1800万ドル(約467億円)が流出。ドイツでは合計730万ドル(約11億円)、スウェーデンでは合計430万ドル(約6.3億円)と、小規模な流出超過となった。一方で、スイスでは合計550万ドル(約8.1億円)、カナダでは1,320万ドル(約19億円)の小規模な流入超過となっている。
プロバイダー別では、以下の図の通り、ブラックロックのiSharesのみで流入が流出を上回った。
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ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します