ハリス米副大統領を後援する政治資金団体、仮想通貨受け入れ コインベースCFO明かす
選挙まで60日
米仮想通貨取引所大手コインベースの最高財務責任者(CFO)アレッシア・ハース氏は水曜日、民主党のカマラ・ハリス米副大統領を後援するスーパーPAC(政治資金団体)が、コインベースのCoinbase Commerceプラットフォームを使用して仮想通貨による寄付を受け付けていることを明らかにした。Fortune誌が報じた。
記事掲載後、コインベースの広報担当者はFortuneに対し、「スーパーPACの一つであるFuture ForwardがCoinbase Commerceを利用していることが確認できる」と述べた。また、Future Forwardはハリス氏の公式スーパーPACであるとされている。
ハース氏はニューヨークで開催されたシティの「2024 Global TMT カンファレンス」で、シティグループの決済担当ディレクター、ピーター・クリスチャンセン氏との会話の中で、「ハリス氏はCoinbase Commerceを使って仮想通貨の寄付を受け入れている」と話したという。
一方、ハリス氏の擁護団体「Crypto4Harris」は、仮想通貨を受け入れていることを把握していないとし、ハリス氏の公式資金調達サイトには仮想通貨対応が表示されていない。
バイデン大統領の下で、民主党はSECなどを通じて仮想通貨業界に対して厳しい姿勢を取ってきたが、最近のロビー活動によって状況が変わる兆しが見られる。
バイデン氏が7月に再選を辞退して以来、ハリス氏は仮想通貨業界との接触を増やしており、選挙チームは仮想通貨についての理解を深めたいとする姿勢を見せている。8月中旬には「Crypto4Harris」がタウンホールミーティングを開催し、「正式な仮想通貨規制の見直しを行う」といった動きを見せた。また、大統領候補の上級選挙顧問ブライアン・ネルソン氏が8月22日のブルームバーグ取材で、ハリス副大統領は仮想通貨・デジタル資産産業の成長を支援する政策を打ち出す予定だと伝えている。
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現時点で、ハリス氏はライバルのトランプ氏とは異なり、仮想通貨業界への支持を明言していない。
一方で、ハース氏は6月の時点で、スーパーPACが関与した34の選挙のうち32で勝利したと述べ、スーパーPACの資金力による影響力に言及。「ハリス氏には大きなチャンスがある。私たちは慎重ながらも楽観視している」、「彼女はまだ詳細を明らかにしていないが、仮想通貨に関する法案を推進したいという意向は示している」と語った。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します