民主党に対抗しトランプ氏支持へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコインを支持する米大統領選の無所属候補ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は24日、激戦州から撤退し、共和党のドナルド・トランプ氏を支持すると発表した。
ケネディ氏は、激戦州以外では候補として残るとして次のように述べている。
私は選挙活動をやめるのではなく、単に停止するだけだ。
世論調査では一貫して、激戦州で私の名前が投票用紙に残ることで、最も意見が合わない民主党に勝利をゆずってしまう可能性が高いことが示されていた。
激戦となる地域で、トランプ氏とケネディ氏で票が割れてしまうことを防ぐねらいとみられる。
ケネディ氏は、無所属で立候補し、現在トランプ氏を支持するようになった理由について、言論の自由やウクライナ戦争、そして公衆衛生や環境をめぐる政策が子供たちにおよぼす影響の問題で民主党と意見を異にしていたからだと説明した。
ケネディ氏はすでに今週後半、アリゾナ州とペンシルベニア州の2州で立候補を取り下げる措置を行った。ただ、その他の激戦州の一部であるミシガン州、ネバダ州、ウィスコンシン州の選挙管理当局は、もう投票用紙から名前を外すのは遅すぎると述べている。
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トランプ氏と同盟
また、今回の動きは、数週間にわたるトランプ氏との対話を受けてのものだとも続けている。ケネディ氏とトランプ氏は同盟を「統一政党」のようなものと位置づけ、「公的にも私的にも意見の相違を認める」取り決めをしたと続けた。
さらに、トランプ氏が大統領に再選した場合は、ケネディ氏も政権に組み入れる可能性があると示唆している。
トランプ氏は、ケネディ氏の支持を得られたことは「大変光栄」だとコメント。「彼は尊敬される人物だ。彼の言うことに誰もが同意するわけではないが、それは誰にでも当てはまる」と述べた。
ケネディ氏は、ビットコイン支持者として知られており、7月には米国政府がビットコインを積み立てて保有することを提唱した。また、陰謀論的な発言を行っていることでも知られる。
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トランプ氏は政権移行チームに仮想通貨肯定派を複数起用している。一方で、民主党の方も仮想通貨業界への歩み寄りの姿勢を示し始めたが、人事面ではハリス氏当選の場合、ゲーリー・ゲンスラーSEC委員長が財務長官になる可能性も指摘されているところだ。
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