仮想通貨Aaveの投資信託、グレースケールが新たに立ち上げ
AAVE初の投資信託
米資産運用会社グレースケールは3日、新たに暗号資産(仮想通貨)Aave(AAVE)を対象とした投資信託「グレースケール・アーベ・トラスト」を発表した。この発表を受け、AAVEの価格は小幅に上昇し、前日比で2.5%高となった。
この信託は、ETF(上場投資信託)とは異なり、適格投資家向けの私募に限定される。米国の適格投資家とは、個人での年収が過去2年間にわたり20万ドル以上、もしくは夫婦合算で30万ドル以上を指す。
グレースケール・アーベ・トラストについて、グレースケールのプロダクト&リサーチ責任者であるRayhaneh Sharif-Askary氏は声明の中で、「この投資信託は、投資家に伝統的な金融に革命を起こす可能性を秘めたプロトコルへのエクスポージャーを提供します。ブロックチェーン技術とスマートコントラクトを活用することで、Aaveの分散型プラットフォームは、仲介者を排除し、人間の判断に依存することなく、貸し借りを最適化することを目指しています」と述べている。
Aaveは、イーサリアム(ETH)を基盤とした分散型金融(DeFi)プラットフォームであり、ユーザーは暗号資産を利用して貸借取引を行うことができるプロトコルだ。DeFiプラットフォームとして、中央集権的な金融機関を介さず、ブロックチェーン技術を用いたピアツーピア(P2P)の金融サービスを提供している。
また、Aaveには独自のガバナンストークンであるAAVEトークンがあり、トークン所有者はプラットフォームのアップデートや方針決定に参加できる。さらに、AAVEトークンを担保として提供することで、手数料を減らしたり、他の特典を得ることも可能だ。
defillamaによれば、DeFiプラットフォームのTVL(ロックされた資産の価値)ランキングでは、Aaveは全てのブロックチェーンにおいて2位に位置し、総額117億ドル(約1.7兆円)に達している。
グレースケールは、最近積極的に新たな銘柄の投資信託を展開しており、8月にはアバランチ、9月にはXRPの投資信託をリリースしている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します