ブロックチェーン業界の求人数は年間で25%増:大手求人サイトIndeedのデータ
- 求人広告大手Indeedのデータから見るブロックチェーン業界
- 仮想通貨やブロックチェーンに関連した求人の検索数、すなわち求職者の興味・関心は2017年の10月から2018年の10月にかけて3.06%低下したが、求人数は1年間で25.49%増加しており、企業側のニーズは増加し続けている。
- スキルに長けた人材の確保
- 他の求人サイトでも軒並みブロックチェーン人材の求人広告は増加を続けている。一方で、現在ブロックチェーンのプロフェッショナルが十分に足りているとは言えず、多くの企業がスキルに長けた人材の確保に苦労している。
求人広告大手Indeedのデータから見るブロックチェーン業界
仮想通貨やブロックチェーンの市場を分析する上で、求人数や求職者の推移は非常に有効な指標となり得る。
Coindeskが求人情報サイトIndeedから取得したデータをもとに分析を行った結果によると、ビットコインをはじめとする仮想通貨やブロックチェーンに関連した求人の検索数、すなわち求職者の興味・関心は2017年の10月から2018年の10月にかけて3.06%低下したとのこと。
求職者のブロックチェーンへの関心は昨年の水準とほぼ変わっていないことを意味している。
一方、企業の求人数は1年間で25.49%増加しており、求職者の関心とは裏腹にその需要が高まっている。
求人検索数は上記の通り昨年と現在でほぼ変わっていないが、Indeed社はその状況が大きく異なっていると主張する。2016年10月から2017年10月にかけては、求職者の関心は481.61%も上昇し、他方で求人側の関心も325%上昇したという。
Indeed社のVice Presidentを務めるRaj Mukherjee氏はCoinDeskに対し、
Indeedでは過去数年間にわたって求職者の仮想通貨業界への関心が急増しており、検索数の増大は特にビットコインが最高値を更新した時期に追従して増加した。当時に比べれば求職者の関心は薄れてしまったが、それでもなお関心は高い。
と述べている。
他求人サイトの求人状況
アメリカで多くのユーザーを集めている求人サイト大手のGlassdoorも、ブロックチェーン業界に関連した求人の需要が高まっていると言及している。
同社が10月中旬にリリースしたリサーチブログの記事によると、同サイト内のアメリカにおけるブロックチェーンに関連した求人は1年間で300%も増加したとのこと。
これらの求人の給与平均も年間で61.8%増加し、中央値の年収が84884ドル(約954万円)であるという。Indeedやglassdoorのデータは、今もなおブロックチェーンに関連する仕事の需要が増加し続けていることを示唆している。
スキルに長けた人材の確保
求人数は増加しているものの、現在ブロックチェーンのプロフェッショナルが十分に足りているとは言えない。
TenXの共同設立者であるJulian Hosp氏は、ブロックチェーンをベースとしたソフトウェア開発のスキルに長けている人材を獲得することは非常に困難であると言及している。同氏はさらに、仮想通貨の業界ではないエンジニアを採用せざるを得ない状況であるとも述べている。
Cryptoglobeによれば、実際にリードエンジニアとしてブロックチェーン専門の求人サイトcryptojobslistに登録されたエンジニアは、24時間以内で200以上のオファーを受け取ることもあるという。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します