量から質へ
イーサリアム(ETH)共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は1日、Xへの投稿で、AIによるコンテンツの大量生成が進む時代に適した新たなクリエイター収益モデルを提案した。
同氏はクリエイター収益化の最も成功した例としてSubstackを挙げている。
Substackはシンプルな月額サブスクリプション制を基盤にしているが、運営側がローンチ時に仕組みを作るだけでなく、継続的に関与し続けたことが、成功に繋がったと指摘。立ち上げのプロセスでは、理想とする知的環境を明確にし、そのビジョンに基づいて質の高いクリエーターを戦略的に厳選するなど、直接的に関与した。さらに選ばれた人々には収益保証まで提示して、プラットフォームの土台を築き上げた。
こうした運営側の積極的な関与の結果、Substackの上位層は極めて質が高く、建設的な議論に寄与している。ブテリン氏は、同プラットフォームが存在しなければ、これほど多様な声が世に出ることはなかっただろうと考えている。
これに対して、ZoraやBitCloutといった従来のクリエイターコイン・プロジェクト全般には、共通の「失敗パターン」が見られるとブテリン氏は指摘する。
- ランキングの上位が「すでに影響力を持つ有名人」で独占されている
- コンテンツの質が評価に直結していない
AIの急速な普及により、クリエイターの収益モデルは今、大きな転換を迫られている。
「AIを使えばわずか10ドルでメタバースを埋め尽くすほどのコンテンツを生成できる」現代において、価値の源泉はもはや「生成」ではなく、質の高い情報をいかに「選別(キュレーション)」するかに移っていると、同氏は主張する。
クリエーターDAOと予測市場
ブテリン氏は、有望なアイディアとして「Protocol Guild」(イーサリアムコア開発者のDAO)の仕組みを参考にした、「非トークンベースのDAO」を提案した。
専門家が結集したギルドのように、実績のあるクリエーター同士が匿名投票で、新しいメンバーの出入りを決定する「意思ある組織」を作る。また、メンバー数の上限も設け、その上限に達したら、自動的に分割することも検討する。
その際、DAOを「業界全体をカバーする」ものや「普遍的」なものとしないことが重要だと同氏は語る。むしろ、「強い意見」を積極的に受け入れ、特定のコンテンツ形式(長文エッセイ、音楽、小説、ショート/ロング動画など)やスタイル(地域、文化、政治的視点、支持する仮想通貨プロジェクトなど)に特化することを勧めている。
そして、DAOの初期メンバーは目指すべきスタイルに最も合致する人々を厳選して構成する。
ブテリン氏は、その目的について「個人の枠を超えたブランド力と交渉力を確保しつつ、内部のガバナンスが機能する規模を維持可能な集団を作るためだ」と述べている。
この段階を経て、初めてトークンを導入する。
ブテリン氏は今後、「多数の人間とボットが予測市場に参加し、ミッションへの整合性と不正操作への耐性に優れた多様な人々が、その結果を判定する」形式がガバナンスとして有効となると予測している。
具体的には以下のような仕組みとなる。
- クリエーターは誰でも自身の「クリエーターコイン」を発行可能
- クリエーターDAOへの加入が認められたら、DAOからの収益の一部を使って、そのコインをバーンする(コイン価値の上昇)
つまり、トークンは誰にでも発行可能だが、その価値はクリエーターDAOに参加が認められた場合のみ発生することになる。そのため、トークン投機家は、「どの新進クリエイターが、価値あるクリエーターDAOに認められるか」を予測して投資する形になる。
最終的な決定権は、クリエーターDAOにあるため、投機家は予測者にとどまり、正確に予測できれば収益となるが、予測が外れると損をする。投機家は同時に、無数のクリエーターの中から、DAOの検討対象となる有望な候補をフィルタリングする役割を果たすことで、DAOに価値を提供する。
個々の投機家が市場に留まり、成功を手にし続けられるかは、クリエイターDAOの行動をいかに的確に予測できるか、という点にかかっている。
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