中国で仮想通貨の「マイニングマシン」大量売却の流れ:ビットコイン暴落などで三重苦の現状
- 中国でマイニングマシンの大量売却
- ビットコイン価格などの暴落に伴い、旧型マイニングマシンでは採算が合わず、消費電力などのマイニングコストをカバーできない領域に達してたことで、中小マイニング業者が撤退を余儀なくされている。乾燥期に入り、エネルギーコストが嵩むことも足枷となっているようだ。
中国でマイニングマシンの大量売却
中国において、仮想通貨のマイニングマシンが、オンライン中古市場などで(重量を基準に)大量売却されているという。
その背景には、2017年10月以来となる1BTCが50万円を下回る値が記録されるなど、仮想通貨価格の急落と、その他様々な影響を受け、利益を出せないマイナーの存在がある。
仮想通貨価格の急落の他に、どのような要因がマイナーを苦しめているのだろうか。
旧型マイニングマシン
現在Antminer S7やthe Antminer T9、the Avalon A741など旧型のマイニングマシンは、いわゆる「シャットダウン・プライス」と呼ばれ、今やその能力では、消費電力などのマイニングコストをカバーできない領域に達しているという。
そうした理由から、大規模なマイニング工場は稼働を続けているものの、中小規模のマイニング工場は非常に厳しい状況に置かれている。
そこで、マイニングマシンの金属などのパーツを、元の1/20程度の投げ売り価格で売却するケースも増加している。
米に拠点を置くベンチャーキャピタルDanhua Capital社の取締役Dovey Wan氏はツイッター上で、マイニングマシンがどのように扱われ、売却されているかを伝えている。
電気代
その他、マイナーを苦しめる要因として電気代の値上がりが挙げられる。
Wan氏は、下記のように述べている。
その他の要因として、電気代がある。
今中国では乾燥する季節で、水力発電による電気を利用したマイニングパワーのコストは、今年のピークに達している。
また、大規模なマイニングプールのオーナー達からは、赤字経営が3ヶ月続いているとの話を聞くが、これは2014年以降かなり稀なことだ。
このように仮想通貨の価格が下落する中、エネルギーコストが値上がりしていることが、経営を圧迫しているようだ。
まとめ
上述したように、主に3つの要因がマイニング業者およびマイナーに大きな打撃を与えている。
- 仮想通貨価格の大幅下落
- 旧型マイニングマシンの「シャットダウン・プライス」
- 電気代の値上がり
最近の大暴落により、マイニング業者は深刻な影響を受けている。
非中央集権化という仮想通貨誕生の思想とは裏腹に、この暴落が仮想通貨の中央集権化を進めているという側面も否めないかもしれない。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します