【日本語翻訳】Ripple CEOが語る、リップルの将来性とは?12の質疑応答

リップル社及びデジタル資産であるXRPの今後の展望について、リップル社のCEOであるBrad Garlinghous氏がインタビュー内で様々な質問に回答
12の質疑応答で、銀行採用、550億XRPの凍結、SWELL等様々な質問に詳しく回答されています。

1.リップルの大規模なカンファレンス「SWELL」において、何か特別な発表はあるのでしょうか?

私に鎌をかけようとしても無駄ですよ!

重要な発表はあると敢えて言いましょう。

しかし、モニカ(リップルの広報担当ディレクター)に公言しないようにときつく言われているので、私たちのホームページにてウェブ中継される国際会議「SWELL」をぜひご覧になってください。

CoinPostの補足

これはリップル投資者にとってかなり注目される回答でしょう。突如リップルがツイッター上で行った大規模なカンファレンスの告知。

カウントダウンでは重要な発表がされなかったことから、SWELLでも何もないのではないか?と心配されていましたが、CEOが名言したことによって内容に期待が持てる注目のカンファレンスとなりました。

2.XRP(リップル)は他の仮想通貨と何が違うか?

XRPが他の主要なデジタル資産と一線を画す、大きな違いは、XRPが非常に良いパフォーマンスを発揮し、国際間送金用として専門機関が使用することを前提に作られていることにあります。

私は、個人的にBTC(ビットコイン)との付き合いは長いですし、我々とは異なった問題を解決してくれると信じていますが、現実的には、XRPが4秒で取引が完了するのに対し、BTCは取引が完了するまで4時間かかる場合もあります。

そして、下記にあるのが、その他の取引に関する違いと、取引にかかる手数料の違いです。

  • ・XRPブロックチェーンが1秒に完了できる取引が1500程度なのに対し、BTCは1秒につき約15取引しか成約できません。
  • ・XRPの取引手数料が少量のセント(日本でいう1円単位)で済むのに対し、BTCでは取引手数料の単位がドル(100円単位)です。

CoinPostの補足

手数料や送金の遅延問題で、基軸通貨であるビットコインは1年で約19倍まで手数料が増加しており、遅延問題に関しての解決策に関しても継続して議論されている課題です。

リップルはこの問題を解決できる銀行向けの送金ツールとしての地位確立を狙っていることは間違い無いでしょう。

3.XRPが銀行に採用される日は遠くないのですか?

複数の顧客(銀行)は、もう既にリップル社のXRP流動性ソリューションにあり、xRapidを使う初期段階に来ています。

新興国市場に対しての支払いは、複数の通貨の仲介トレーダー(コストの追加)や送金先のローカル通貨の口座(未使用のお金)が必要になります。

しかし、支払い業者や銀行はXRPを使って、即時に仲介者もなく、コストも現在の半分以下に抑えられるのです。

ただし、いきなり走りだすのではなく、その前に歩く、歩く前に四つん這いで進む、と段階を追っていくべきだと考えています。

この分野は、支払い業者にとっても銀行にとっても未知の領域であり、デジタル資産がこの何兆ドルもの機会を活かし、幅広く普及するには時間がかかりますし、時間をかけるべきだとも考えています。

しかし、私たちは様々な顧客から興味を持っていただいて非常に光栄に思っています。

4.他の銀行機関がリップルのような通貨を複製し、リップルが勢いを失うことはあるのでしょうか?

各銀行は、独自のデジタル資産を開発することはできますが、そのアプローチは的外れだと捉えています。

ある銀行で開発された独自のデジタル資産は、その銀行内の取引においてのみ活用可能です。よって、我々は、現金融機関には有効な決済のための独立したデジタル資産が必要であり、その地位はXRPが充分に担うことができると感じています。

そして、それはデジタル資産がどうしてユニークであり、特別なのかという根本的な問いに収束されます。

デジタル資産がユニークであり、特別なのは、それが世界的に使用可能な通貨であり、世界中の誰もがどこにいても使用できるからなのです。

CoinPostの補足

最近になり、日本でも銀行独自の通貨発行を目指すニュースが多くありました。

このような銀行トークンは同銀行間や銀行グループ間の取引に置いて有効ですが、送金する先は世界の無数に存在する銀行間で行われるため、リップルとしてこの部分を一番に売り出したマーケティングを行っているのでしょう。

5.リップルはどのようにして金融分野に変革をもたらすのでしょうか?

世界中どこにいても無料で誰とでも話すことのできるこの時代に、なぜ高コストで信頼性のない国際間送金に何日もかけなければならないのでしょうか。(ぜひSWIFTのエラー率を検索して見てください)

支払い自体が、インターネットを前提に作られてはいないので、私たちはこの未解決の問題であるインフラ整備を進めようとしています。

今日、世界中で155兆ドルが国際間送金されています。私たちの市場機会はこの巨額の支払いをスムーズにし、大きな問題を解決すると下記のような価値を生み出せます。

  • ・何億人もの人々が即時に取引できるようになります
  • ・根本的に新しいビジネスや産業を生み出せます
  • ・貧困層などの金融市場へのアクセスの提供

私は、ITの誕生(私は以前、@Home Networkと言うケーブルモデムを最初に売り出した企業の社員でした。)に立ち会え、非常に幸運でした。

このような過去20年の目まぐるしい変化を見ても、仮想通貨がもたらす変化が今後どのような無数のチャンスを生み出すのかを予想するのは極めて困難です。

UberやLyftがもたらした交通革命を20年前に誰が予想できたと言うでしょう。

よって、国際的な金融インフラを革新させるのも充分に可能であると言えるでしょう。

6.どうしてリップルは中央集権化されているのでしょうか?

リップルは、全くもって中央集権化されていません。

わかりやすく説明すると、もしリップルという会社が今日なくなったとしても、仮想通貨としてのXRPは機能し続けます。

私からすれば、それが非中央集権かどうかを見極める最も大切な指標だと考えています。

これから下記に記述するのが、その指標を顕著に表す事実です。

2017年5月、XRPブロックチェーン開始時から現在も使用されている、私たちの分権化戦略を公表しました。

当初、私たちはXRPブロックチェーンの承認者の多様化を目指しており、2017年7月に55まで承認ノードを拡大させることに成功しました。

そして、信頼性のある承認者をユニークノードリスト(UNLs)に追加する計画を共有し、XRP台帳上の大多数が信頼されるノードに変わるまで、2017年から2018年の間に上記の条件に当てはまる第三者による承認ノードが二つ追加されるごとに、リップルによる承認ノードを一つ取り除きます。

リップルはXRPエコシステムの中では重要な役割を果たしていると言え、それを私は誇りに思います。

リップルは世界でも有数の実力を持つ C++の技術者たちを含め、175人以上の雇用者を抱え、私たちは一丸となってXRPのエコシステムを拡大させようとしています。

私たちには、外的に見ても内的に見ても、このリップルエコシステムを繁栄させる大きな可能性を秘めているのです。

7.いつ550億XRPを凍結するのですか?

数ヶ月前に、2017年末までに条件付捺印証書を作成するという計画を公表しました。

これは、私たちの健全性及び安全性の元、計画の達成に向けて進んでいきたいと考えています。

8.ブロックチェーン技術において誇張されているのはどんな事ですか?

ブロックチェーン技術は新しいビッグデータやAIのようなもので、非常に多くの人が「バズワード」として扱っていて、本質的に問題を解決する事に焦点を当てていません。

私たちはこのような人たちを、「ブロックチェーン旅行者」と呼んでいます。科学実験と呼ぶにも躊躇いがあるようなアプリケーションで溢れかえっているのです。

ブロックチェーンを採用しているような分野でも、実際はデータベースを使用したほうが効率が良いような事例も多く目にします。

このような事例の一つにならないように、リップルは実際に有効な用途で、企業のブロックチェーン使用範囲を越した、商業取引に焦点を当て、実在する非常に大きな問題を解決しようとしています。

9.あなたに関することでグーグルでは検索できない面白いお話は何でしょう?

この質問は、私自身とても好きな質問であり、良くリップル内でもこの質問を投げかけることがあります。

リップルに入社した人が、初日に不安を取り除くため、彼ら自身のことでグーグルに載っていないことを僕ら全社員に発表するのです。

この発表では、控えめにいっても、とても面白いと言えるような発表をたくさん聞くことができました。

では、私自身のことで、グーグルにまだ載っていない事を二つお教えします。

一つ目は、私が大学でレコードストアを始めた事です。(そうです、CDです)

そして、二つ目は、テスラの車を使用してUberの運転手をした事です。(シリコンバレーのイメージ通りですよね)

10.シリコンバレーの人々は謙虚に振る舞えないのか?

もし私がこの質問に一言で答えなければならないのなら、その答えは、謙虚に振る舞えていないとなるでしょう。しかし、その真相については、ぜひ説明させてください。

私は、シリコンバレーの隠し味は、少しの強がりと、少しのエゴだと思っています。

しかし、多くのリーダーが「作れるようになるまで虚勢を張れ」という古い格言を極端に捉えています。

私は、別に彼らを責めているわけではありません。透明性、謙虚さ、誠実さを保ちつつ、人々が求めるような恐れることのないリーダーであることは簡単なことではないからです。

私は、境界線は「謙虚な態度」にあると思っていて、これはRippeのチーム内でよく話すことの一つでもあります。

私たちの場合は、素晴らしいチームメイトに囲まれて、注目すべきテクノロジーに関わり、業界を一新できる可能性のある商品を取り扱っています。

しかし、私たちが目指す、お金が情報と同じように世界中を即時に行き来する場所はまだまだ先にあるのです。

私は、チームメンバーが、理想を追い続け、革新を作り続け、顧客、投資家、チームメイトのために理想を現実にすることに全力を注ぎ続けられるように、そして私たちがこの機会を得られたことに感謝し続けられるように、「謙虚な態度」についてチーム内で話します。

11.あなたはリップルのどこを気に入ってリップルチームの一員となったのですか?

シリコンバレーのスタートアップを見渡して見た際に、ほとんどの会社に興味をそそられることはありませんでしたし、世界に爪痕を残したいと思っている会社も見受けられませんでした。(果たして、私たちに革新的な食のデリバリー方法は必要でしょうか)

しかし、対照的にリップルは実在する国際的な問題を解決しようとしており、社会へ変革をもたらすほどのインパクトを与えられる可能性がありました。

私は、さらにチームメンバーたちに魅了されました。(というよりほれてしまったというほうが適切かもしれません)

彼らは、私が今まであった人の中でも、特に頭が良く、金融、法律、技術などの様々なバックグラウンドを持ち合わせていました。私が、毎日彼らから学びを得ているのは言うまでもありません。

12.私がリップルに投資すべき3つの理由をあげるとしたら、それはどんな理由になると思いますか?

まず、質問の前提として、リップルは民間企業であり、キャッシュフローは黒字で、新たに資本調達をする予定はありません。(もし、することになったとしても機関投資家からのみ資金調達を行います)

しかし、XRP台帳上のデジタル資産であるXRPを購入することができます。

根本的な規則として、投資アドバイスは与えないようにしますが、何が会社としてのリップル及びデジタル資産としてのXRPを価値あるものにするのかをお話しすることはできます。

リップルは、金融機関の国際ネットワークを作り、リップルのソフトウェアを使用し、Internet of Value (IoV)を実現させようとしています。

私たちの目標は、国際間送金のコストを極限まで下げ、お金が情報と同じように簡単に移動できる社会を作ることです。

ネットワークが成長し、リップル社の商品が浸透していくと、必然的にリップルの価値も上がります。

XRPはXRP台帳上に存在するデジタル資産で、リップルによって開発されたオープンソース商品です。

XRPは、国際間支払いを促進するために必要な先方勘定及び当方勘定の積立という主要な問題を解決し、IoVには欠かせない要素となっているのです。

このようなことが、現実になってくると、XRPの需要が増え、市場価格にも反映されるでしょう。

私たちは、幅広い国際金融に関わる顧客の皆様と共に、強力なネットワークが作り、その効果によりこの新しい技術の勢いが加速しています。ここまで進歩させることができて非常に光栄に思っています。

The Interview of Ripple’s CEO

Oct 4, 2017 by Brad Garlinghouse (CEO of Ripple)

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