ビットコイン大暴落で「サーキットブレイカー」発動、下落要因と共に振り返る異常事態|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場
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●ビットコイン価格フラッシュクラッシュで100億円規模のロスカット
●LONGHASHが、過去10年間のボラティリティに関する動画を公開
●米著名アナリスト「マクロ的視点もBTC価格のサポートに」
金融市場と仮想通貨
2019年2月25日(月)の国際金融市場の値動きは、以下の通り。
日付 | NYダウ | 日経平均 | BTC価格 |
---|---|---|---|
2/19(火) | ー | 21,302円(+20) | 43.0万円 |
2/20(水) | 25,891ドル(+8) | 21,431円(+128) | 43.5万円 |
2/21(木) | 25,954ドル(+63) | 21,460円(+20) | 43.4万円 |
2/22(金) | 25,850ドル(-103) | 21,425円(-38) | 43.4万円 |
2/25(月) | 26,031ドル(+181) | 21,528円(+102) | 41.8万円 |
東京株式市場は本日も堅調で、日経平均株価は、前営業日比102円高の21,528円で引けた。21,000円の心理的節目を超えたまま、半値戻しに接近する勢いで推移しており、割安圏の銘柄を中心に買い意欲は旺盛だ。
しかし、3月には米中通商交渉の期日が控えるほか、下旬にかけて英国のEU離脱(ブレグジット)問題が燻っており、国際的な政情不安が台頭すれば、再びリスクオフに傾き地合いが急悪化する可能性も否めない。
ブレグジットが仮想通貨市場に及ぼす影響については、以下の記事で詳しくまとめている。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株は、ビットコインの暴落と連動が顕著だったのは、BITPointを運営することで業績に影響されやすいとされる「リミックスポイント」で、証券事業などの割合が多く占めるSBIホールディングスやマネックスグループは上昇している。
ブロックチェーン事業に本腰を入れているグノシーも、二連続陰線から反発し、3.29%高となった。
ビットコインテクニカル分析
仮想通貨市場は、「Buy the rumor、Sell the fact」の格言を意識した買い(材料出尽くしでの売り目線)が集まる中、直近相場を先導していたイーサリアム(ETH)が想定を超える急落。ビットコイン(BTC)価格も、連動するようにして下落幅を拡大した。
反落前の4190ドル(46.4万円)から3714ドル(41.1万円)まで、現物価格でも5万円幅(11%)以上のナイアガラを記録している。
国内最大手のbitFlyerのBTCFXでは、ロスカット連鎖に伴うフラッシュクラッシュで、マイナス乖離が-15%近くの異常値まで加速した結果、サーキットブレイカーが発動。価格がオーバーシュートして、一時-10万円幅となる35,6万円台を記録するなど異常事態を引き起こした。
サーキットブレイカー(CB)とは
サーキットブレーカー制度とは、誤発注等による価格急変防止の観点から、取引の一時中断を行う制度。bitFlyerでは、基準価格の上下20%の値動きが起きた際にCBが発動し、約5分間取引中断が行われる。
CBの板寄せ直後にCoinPost編集部で撮影した、bitFlyer(BTCFX)の様子は下図となる。分足であることを考慮しても、明らかにチャートが飛んで表示されており、いかに異常な状況であったかを示している。
23時台のロスカットも桁違いの規模となり、24,000BTC(約100億円)に及ぶことが確認できる。
では、この瞬間どのような値動きが発生していたのか、BTCFXの有名トレーダーハル(@kasou365)氏は、以下のように動画解説している。
チャート確認すると、4時間足の100日移動平均線で止まっているが、大暴落時にこのラインが意識されたというよりは、テクニカル無視して底抜けてオーバーシュートした末、偶然このラインで止まったと考える方が自然だろう。現に、その上にあるサポートラインは全く機能せず直滑降を見せている。ただし、一度止まった反発ポイントは今後意識される可能性も考えられるため、意識しておくに越したことはない。
クラッシュ前後の考察下落要因は
今朝公開したマーケットレポートでは、CoinPost所属ライターの「クリプトキツネ」氏が、テクニカル分析を交えつつ詳しく解説。直近1ヶ月のテクニカル分析を元に考察し、インジケーターを紐解きながら、上昇トレンド発生の検証、そして今後注目すべきポイントを考察している。
なお、この要因について、海外のテクニカルアナリスト兼トレーダーのJosh Olszewicz氏がCCNのインタビューで明かしたところによれば、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物市場が下振れに大きな影響を与えた可能性があるとした。
これに先駆け、CME(は先週、BTC先物契約の日間取引高が過去最高を記録していたことを明かしている。
同氏は、CMEに対するBTC契約の日々の取引量の急増が売り圧力を引き起こし、BTC価格の大幅な下振れを記録した可能性があると指摘したほか、世界のデリバティブ契約の大部分の取引を促進するCMEのBTC先物取引の開始日と満了日は、価格に大きな影響を与える可能性があると言及。
資産のリトレースメントを促進した可能性があると述べた。
このほか、finexなど大口の売り仕掛けが濃厚となる中、しばらく乱高下することも予想されるため、ロットを上げた安易なポジション取りは極めて危険だ。
本日公開した、ビットコインFXの億トレーダーとして有名な「青ハチミツダルマ」氏の対談式インタビューでは、相場観や資金管理術について言及しており、特にトレードの初・中級者は必見の内容と言えるだろう。
過去10年間のボラティリティは
世界的ブロックチェーンインキュベータ「LONGHASH」が、過去10年間のボラティリティに関する動画(翻訳:CoinPost)を公開した。
過去数年間において、ビットコインに対する批判の一つに、「価格が乱高下しやすい」との指摘がある。しかし、ビットコイン価格のボラティリティは、歴史上大幅に低下している。
しかし、1日のリターンにおける「30日平均」を測定すると、ビットコインのボラティリティは初期の頃には10%を頻繁に上回っており、急激な価格変動も珍しくなかった。2014年までに、ビットコインのボラティリティは約10%に減少したが、ここ数年に渡って、5%近くまで半減している。
詳しくは、以下の動画をご覧いただきたい。
動画提供元:LongHash(@longhash_jp)
字幕翻訳元:CoinPost(@coin_post)
米著名アナリスト「マクロ的視点もBTC価格のサポートに」
米著名アナリストのトム・リー氏は、先週末トルコの大都市イスタンブールで行われた「Blockchain Economy Istanbul Summit」で、ビットコインや仮想通貨市場に関する最新の展望について、以下のように述べた。
昨年の仮想通貨市場は残念な形に終わったが、(2017年の)熱狂相場の後は、少し休息を挟む必要があった。
2019年のビットコイン価格は、(現在の)3900ドル台ではなく、もっと高い水準でを終えるはずだ。
ETFは今年中に実現しないかもしれないが、ETFの承認がなくても、BTC価格は問題ない。
このほか、マクロ要素もビットコインのサポートになると説明している。
- 国際株式市場がビットコインに対して強気
- 昨年と比較して米ドルが軟調
- テクニカル面:BTC価格は200日MA付近でバウンスしている
- 仮想通貨に対する信頼度向上
続けてリー氏は、仮想通貨に対する信頼度の向上に貢献する要因として、先日話題となったJPモルガンの独自通貨「JPMコイン」の台頭や、機関投資家に仮想通貨取引を提供する「Bakkt」の参入などを挙げ、世界経済が後退局面(リセッション)に陥り、不況が訪れた場合、避難通貨として仮想通貨市場の魅力をより高めるとの見解を示した。
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