機関投資家向け取引プラットフォーム、企業買収でビットコイン先物とオプション提供開始
- 機関投資家向け仮想通貨商品取引所が買収を発表
- 機関投資家向けの暗号資産運用プラットフォーム「Caspian」がビットコインの先物やオプションを提供するDeribitの買収を発表した。これにより、仮想通貨の先物取引とオプション商品を提供する機関投資家向けの世界初のサービスが誕生する。
機関投資家向けの仮想通貨先物とオプション取引所が始動
機関投資家向けの仮想通貨・暗号資産マネジメントプラットフォームのCaspianが仮想通貨の先物やオプションを提供するオランダのDeribitを買収したことを発表した。
Deribitは、オランダ発の仮想通貨先物やオプション商品の取引を提供するプラットフォームで世界で唯一の限月支払いが行われる、イーサリアムの現金決済オプション取引を提供している。
Caspian社は今回の買収を発表する際、これを通じて「先物とオプション商品に両方を提供する初めての機関投資家向けプラットフォーム」になったとツイッターで発信していた。
Caspianのエコシステムには、すでに30の仮想通貨取引所やリクイディティプロバイダーが含まれており、今回のDeribit買収はCaspianの包括的な商品・サービスのラインナップ層をさらに深くするだろうと発表した。
同社は、すでに注文執行管理システム(OEMS)、ポートフォリオマネジメントシステム(PMS)、そしてRMS(リスクマネジメントシステム)を組み入れた取引プラットフォームを有しており、今回の提携では高度なAPIを活用してDeribitの提供するビットコインとイーサリアムの先物とオプション取引へのアクセスが可能となる。
これにより高い取引量を低いラグで提供しつつ、Deribitの注文控元帳に接続できる仕組みだ。
Caspianは昨年9月、トークンプレセールを行い1600万ドル(約17.7億円)の資金調達に成功していた。
今回の提携に際してCaspianのCEO、Robert Dykes氏は以下のようにコメントした。
Deribitとともに機関投資家コミュニティーに向けた仮想通貨のオプション商品や先物取引を提供できることを誇りに思う。
Casppianの目的は仮想通貨トレーダーや投資家に既存の資産クラスと同じ基準のツールやサービスを提供することであるため、Deribitチームが同等の高い基準を保っていることはいいことだ。
またDeribit社のCEOであるJohn Jansen氏はこのように言及している。
Caspianの総合取引・ポートフォリオ運用プラットフォームは機関投資家に業界を牽引する仮想通貨市場参入へのゲートウェイとなるだろう。
仮想通貨の現物は規制の不透明性やセキュリティにおける懸念から機関投資家は近寄りがたい感じが否めないが、仮想通貨の先物取引やオプション商品ならアプローチがしやすくなる。
Caspianの機関投資家プラットフォームが本当に「仮想通貨市場参入へのゲートウェイ」となるのか、注目していきたいところだ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します