仮想通貨イーサリアムの非中央集権化へ ProgPoW導入に係る第三技術監査機関を決定|今後のスケジュールは?

ProgPoWの技術監査を担う第三機関が決定
25日、イーサリアム財団のコア開発者によってProgPoW導入にむけた技術監査を担う第三機関が決定したことが公表された。目標とするASIC耐性の達成やその他エコシステム全体に与えうる影響等が調査される。

ProgPoWの技術監査を担う第三機関が決定

イーサリアム財団は25日、ProgPoW実装に向けた技術監査を行う第三機関を決定したことを公表した。コア開発者のHudson Jameson氏(以下、Jameson氏)が、イーサリアムコミュニティ主導のプロジェクト管理団体「Ethereum Cat Herders」の公式ブログで公表した。

ProgPoWとは「Programmatic Proof-of-Work」の略称で、2018年に利用率が急速に高まったASICマイニング機器の寡占化を妨げるためにGPUに優位性を与えるアルゴリズムである。これは、イーサリアムのハッシュレートが寡占化し、中央集権化を防ぐ対策とも言われている。

現在時点で、その導入の是非を問う投票であるイーサリアムの送金によるコイン投票では94%の賛成、マイナーによるハッシュレート投票では100%の賛成となっておりコミュニティの大多数はその導入に肯定的な状況にある

出典:etherchain

Jameson氏によると、技術監査を行う第三機関はセキュリティコンサルタント企業のLeast Authorityに決定したという。Least Authority社は、ローンチ前のイーサリアムやここ最近でのZCashの監査を実施した実績を持つ企業だ。

監査の内容やスケジュールについてはLeast AuthorityによってGitHubで既に公開されている。なお、それらはあくまで仮であり確定的なものではない。

以下が、今回の審査に関する内容となる。

今回審査の対象とする分野(一部)

  • イーサリアムセキュリティへProgPoWが与える影響(アルゴリズムセキュリティ、攻撃領域、51%攻撃リスク、その他潜在的なセキュリティリスク)
  • 目標とするASIC耐性の達成
  • ハッシュパワーとマイナーバランスの変化
  • “フェア・マイニング”の見地からのProgPoWがEthashと比較して与える潜在的なメリットとデメリットの特定
  • ProgPoWが非中央集権化を促進するか
  • その他エコシステム全体に与えうる影響(分散性、経済規模、コスト等)

今後のスケジュール

  • 3月25日-4月26日:コードレビュー完了
  • 5月1日:最初の監査レポートの提出
  • 5月27日‐30:承認完了
  • 5月31日:最終監査レポートの提出

Jameson氏は、今回の監査はProgPoWのディスカッションに、より多くのデータや議論しやすい環境を提供するため、非常に重要なものであると主張する。

また、監査の実施のために助成金Gitcoinを設定しており、そこから寄付が可能となっている。

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15日に開催されたイーサリアム開発者会合にて、ASICマイニングの耐性を強化する新たなアルゴリズム「ProgPoW」について意見が交わされた。ETH保有者が投票できるコミュニティサイトによると大多数が新アルゴリズム導入に賛成の見方である。
イーサリアムの開発者コミュニティは、第三者機関によるコード監査の実施を予定しており、以前に仮決定していたProgPoWの実装が延期される可能性が出てきた。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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