米シンクタンク、SECの仮想通貨規制アプローチを批判
- 米シンクタンク、SECの姿勢を批判
- 米シンクタンクが「仮想通貨とSECの際限のない権力掌握」と題したホワイトペーパーを発表。米SECの仮想通貨規制の在り方に対し、「厳しい規制は、仮想通貨やブロックチェーンの発展を妨げる」と指摘した。
- Howeyテストとは
- 特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。1946年のHowey社訴訟事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定めた。いくつかのICOプロジェクトがこのテストスコアを計算して、トークンの「証券性」を検証している。
米シンクタンクがSECの姿勢を批判
自由主義的な主張を持つことで知られる、米シンクタンク「Competitive Enterprise Institute」は、米SECの仮想通貨、ブロックチェーンに対する規制のアプローチに関して、批判を展開した。
今週の木曜日に、同シンクタンクのシニア研究員John Berlau氏は、「仮想通貨とSECの際限のない権力掌握:なぜ投機的消費材は証券ではないのか(Cryptocurrency and the SEC’s Limitless Power Grab: Why Speculative Consumer Goods Are Not ‘Securities’)」と題したホワイトペーパーを投稿した。
そのホワイトペーパー内では「ブロックチェーンと仮想通貨は、インターネットと同等に世界に影響を与えるポテンシャルを秘めている」とした上で、Berlau氏は「重すぎる規制の下では、イノベーションが急停止してしまう」と警鐘を鳴らしている。
同氏は、デジタルトークンやデジタルアセットなど成長市場に対する、SECの警戒的な規制手法は、’証券の定義’の拡大解釈だとして批判を展開。以下のように続けた。
政府が非常に厳しい規制を行えば、経営者の新たなアプローチやアプリケーションへの試みを阻害することになるため、仮想通貨やブロックチェーンのポテンシャルをフルに発揮できなくなるだろう。
先週発表されたガイダンスも批判
SECは先週3日、ICOを検討している企業などを対象に、特定の仮想通貨およびトークンが有価証券に該当するかを判断するためのフレームワークを発表している。
そのガイダンスには、これまでSECが引用してきたハウェイテストに関する説明がされている。
ただBerlau氏は、このSECのハウェイテストを利用した判断方法にも批判の目を向けており、他の金融商品よりも厳しい基準でハウェイテストを行なっていると指摘。
さらに、その新たなガイダンスを参照すると、SECは、ハウェイテストでは本来考慮されない流通市場の存在についても大きく焦点を当てていると言及した。
SEC側としては「個人投資家を保護するため」とのスタンスで規制に臨んでいるが、論文内では、その姿勢についても以下のように批判している。
(過去には)2002年の「上場企業会計改革および投資家保護法」や2010年の「ドットフランク法」の影響で、成長段階にある企業への個人投資家からの株式市場への参入が妨げられていた事例がある。
(この例のように)仮想通貨を証券とみなすことで、SECなどによる金融規制の影響を受けるため、中小規模の投資家を仮想通貨(への投資)から遠ざけてしまうだろう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します