ビットコイン急落で次のターゲットは?「Misery Index」のBMIが2016年以来の最高値に|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場 アルト全面安の仮想通貨市場は一気に弱気ムードに傾いた。米国納税売りの15日を通過すれば、売り圧力の緩和も見込める中、急落したビットコインの次のターゲットを探る。
金融市場と仮想通貨
本日の東京株式市場は、前日比159円18銭の続伸を見せ、年初来高値の2万1870円56銭に達した。
材料の乏しい仮想通貨(ブロックチェーン)関連株は、弱含みで推移。グノシー(6047)が3.28%高と反発している。
ビットコインテクニカル分析
ビットコインは、アセンディングトライアングル下抜けで急落。
9日夜に公開したマーケットレポート時点では、以下のような形状だったが、アルトコインの全面安に伴い、失速した格好だ。
現在はトレンドラインを割り込んだことで、短期的に弱気相場に移行。意識されていた5,000ドルのサポートライン(オレンジ点線)で反発し、 EMA50(Exponential Moving Average:指数平滑移動平均線)でサポートされて推移している。
EMAは、直近の価格に比重を掛けた指標のため、過去の終値の平均から算出される「SMA(単純移動平均線)」よりも、BTCのようなボラティリティの激しい相場では、直近のトレンドを捉えやすいとして重宝されている。
この50EMAを割り込んだ場合、急騰後に付けた巨大な上髭後にサポートされた、雲下限の52.5万円。EMA100の53〜53.6万円(fib0.5)も視野に入るだろう。上昇した場合は、57.8万円が戻り売りポイントになるため、しばらくは上値の重い展開が続くかも知れない。
一方で、ここを数日間耐え切って値固めできれば、米国納税売りの期限(後述)の売り圧力がなくなることで、再び上を目指す気運も高まりやすい。日足、週足で確認すると、上昇トレンドの押し目とも考えることも出来るため、目線の固定はせず、臨機応変に立ち回りたい。
15日通過でアク抜けか
2019年の米国の確定申告(Tax Return)時期が、4月15日に迫っている。特に締め日の直前は売り圧力が強まる可能性が指摘されている。
2018年の確定申告時には、仮想通貨の保有によるキャピタルゲイン税の総額は25億ドル(2700億円)に相当すると予想されており、税金を支払うための売却、またそれに伴う市場の売り圧力が懸念されていた。
相場の値動きの背景には、複合的要因があるため断言はできないが、昨年同時期のビットコイン価格は、前月比40%超の値下がりを見せていた。
2018年3月にブルームバーグが報じたところによれば、仮想通貨アナリストで、ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのリサーチ責任者「トム・リー」氏の見解について、以下のように紹介している。
2018年3月現在、仮想通貨からドルへと大量に資金流出しており、仮想通貨の売り圧力は、米国の「確定申告期限(2018年4月17日)」を過ぎれば、これが緩和される可能性がある。
2017年の仮想通貨バブルを経て、250憶ドル(約2.6兆円)とみられるキャピタルゲイン税が生じたことで、保有通貨の一部を売却しており、相場の下落を招いている。
ビットコイン「悲惨指数(Misery Index)」2016年以来の最高値
直近ではビットコインを始め、仮想通貨の全体相場が好調していたため、「ビットコイン・ブル」と呼ばれる米投資調査企業Fundstratの責任者であるTom Lee氏は再びSNS上で活発に分析を行い始めている。
Lee氏は12日、「ビットコイン悲惨指数BMI」という一つの指標に関して、解説を行なった。4月2日、つまりビットコインが急上昇を遂げた日には、BMIは89に達したが、「良い意味と悪い意味が両方ある」と言及。
Lee氏によれば、2011年以来、67を上回ったBMIは、強気相場しか見られていないが、67を上回ってから相場がピークを過ぎると、最大25%までの下落も記録している。
BMIとは、ビットコインのモメンタムを0〜100までの数値範囲で示す指標で、27以下となれば「悲惨」、67を越えれば「幸福」との示し方として作られている。
ビットコインは2日のBMIが89(2016年以来の高値)まで上昇したせいか、その数日後には20%ほどの下方修正を見せた。
なおLee氏は「67のBMIはベアマーケットは3,000ドルの底値水準で終了した」と分析し、「センチメント的な指標であるため、価格の推移と全く同じようなタイミングで連動するものではない」と改めた。
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