力強く反発したビットコインの今後は?メイヤー倍数「1.14」は405日ぶりの高値|仮想通貨市況

仮想通貨市場

●直近高値から三段構えの急落を見せたビットコインが反騰、今後の値動きは?

●海外アナリスト、メイヤー倍数を根拠に4ヶ月内の弱気相場終焉を考察

●BitMEX CEOは年末価格を強気予想

金融市場と仮想通貨

本日の東京株式市場は、米株高を好感し、前日比300円高となり、2万2000円台を回復した。

仮想通貨(ブロックチェーン)関連株では、マネックスやSBIホールディングスなどが上昇を見せたが、業績下方修正や来期の減益見通しを嫌気されたグノシー(6047)が、寄らずのストップ安を付けた。

なお、本日大引け後、マネーフォワード(3994)が、参画に向けて準備を進めてきた仮想通貨事業の撤退(参入延期)を決め、特別損失として6139万5000円を計上したことが判明した。

事業計画当初の想定より、仮想通貨マーケットが中・長期的に冷え込んだことや、国際的な規制強化の流れの中で改めて見直したという収益性のダウンサイドリスク懸念に加え、本業の家計簿アプリなどで競合が台頭してきたことによる人的リソース不足も経営判断にあったとされる。

そんな中、国内最大手19社が出資する仮想通貨交換業者「ディーカレット」が明日オープンし、仮想通貨の決済分野でも国内市場を牽引する。巨大経済圏を要する「楽天ウォレット」も開設されており、競争が激化する一方、金融大手の参入により業界全体の資本力が強化されることは、利用者保護の観点から市場健全化につながる動きだと言える。

16日、JR東日本など国内大手19社が支援する仮想通貨取引所「ディーカレット」がオープンする。取り扱い通貨はビットコインやリップルなど4種類だ。仮想通貨の交換だけではなく、決済システムを想定し、Suicaなどの電子マネーに交換できるサービス提供を目指す。

ビットコインテクニカル分析

11日に付けた直近高値の60万円(5,350ドル)から大幅反落し、三段構えの急落を見せたことで、暴落警戒で下目線も強まっていたビットコインだったが、強いサポートラインである5,000ドルから反騰。逆三尊のような形を見せ、再浮上した。

ビットコインキャッシュやライトコインの堅調な推移が相場を後押ししたほか、4H50EMAに下値を支えられるようにして推移。

日足で見ると短期・中期の移動平均線が共に上向き始めており、年末年始とは一変し、株式市場同様にセンチメントにも変化が見られる。

12日に抵抗帯となっていた56.6万円付近(15分足青線)が、13〜14日にかけてレジサポ転換したことで、上昇チャネルで推移するような形を見せている。現在は、急騰後のアセンディングトライアングル下抜けの起点となったラインであり、Fib61.8%にも相当する58万円で頭を押さえつけられている状態だ。

4H雲上限にも位置するため売り圧力の掛かりやすいポイントだが、このラインもレジサポ転換できた場合、再び60万円の上値トライも視野に入る可能性はある。

上値の重さに耐えきれず再下落するリスクも十分あり、その場合は5,000ドル(55万円)とfib50%の53.6万円付近がサポートされやすい価格帯となりそうだ。

BitMEX CEOの予想

2018年の暴落相場を的中させたBitMEX CEOのアーサー・ヘイズは、世界各地で相次いで計画されている紙幣刷新が、ビットコイン価格を2019年末までに1万ドル(約110万円)まで押し上げると考察している。

米国のミレニアル世代(1989年~1995年生まれ)が投資する、大手テック企業のIPOなどを経て、仮想通貨への投資を開始すると考えているようだ。

ただし、今から2,000ドル(約22万円)から3,000ドル(約33万円)の価格帯まで、一度落ち込むかも知れない。アーサー氏は、来る停滞期を示唆しつつも、5年以内には現金が完全に消滅し、ビットコインは5万ドル(約560万円)以上に達するだろうと予測した。

なお、アーサー氏は、Venture Coinistのインタビューの中で、仮想通貨の「オプション取引」計画があることも明かしている。

大手仮想通取引所BitMEXのCEOであるArthur Hayes氏は、ミレニアル時代の消費傾向を分析し、ビットコインはこれから史上最高値を記録すると確信していることを明かした。

メイヤー倍数、405日ぶりの高値

2日の急騰後の反落するも、5,000ドルラインで踏みとどまっているビットコイン価格におけるメイヤー倍数が、405日(1年1ヶ月)ぶりに1.14に到達したことが分かった。

メイヤー倍数は、「ビットコインの現在価格」を価格の長期的なトレンドを見るために使用する「200日移動平均線」で割った指標で、これまでのチャートと比較して現在の位置を測るものだ。著名仮想通貨投資家のTrace Mayer氏が独自で考案した仮想通貨専用の指標である。

メイヤー倍数が1.0を超えるということは、現在価格が200日移動平均線を上回っているため、1.0以上の数値はポジティブな地合いを指していると言えるだろう。なお、2017年末の200万ドル達成時のメイヤー倍数は、3.76を記録している。

過去の例を分析した海外の仮想通貨アナリストのCryptoKea氏は、メイヤー倍数が1.0未満から1.0を超えた際、過去2回とも弱気相場の終焉を告げていたとしている。

CryptoKea氏によると、メイヤー倍数が1.0を超えてから数ヶ月間に横ばいの推移が継続したのち、徐々に上昇が見られ始めた。

また同氏は、2020年に迫っているビットコインの半減期も、今後の買い圧力を強めると予想されることから、あと4ヶ月内に弱気相場が終わると予想している。

メイヤー倍数は過去データを振り返ることに特化しているため、将来的な価格予想には適していない。

しかし、同時にメイヤー倍数が2.4付近に到達すると、過熱感の解消から大きな売り圧がかかることが、歴史的なチャートで参照できるという。

CoinMarketCapと比較すると、確かに2013年7月以降のビットコインにおいては、メイヤー倍数が2.4を超えると価格の急騰が起きている。

出典:CoinMarketCap

今後、ビットコインのメイヤー倍数が引き続き高まっていくことで、相場強弱の変遷を示唆することになるだろう。計算が容易で、なおかつ有用性の高い指標として活用してみるのもいいかもしれない。

本日の速報をチェック

免責事項

当ページは、仮想通貨の信憑性・正確性を保証するものではありません。

掲載されている内容やリンク先、サービス等、または投資情報からの不利益や損害については、当サイトでは一切の責任を負いかねます。投資する際は、ご自身の判断の元、自己責任でお願い致します。

CoinPostの関連記事

コインチェックが本日、大口取引向けのOTCサービスにイーサリアム(ETH)とリップル(XRP)を追加、取引が開始(ビットコインを含む3通貨)された事を発表。交換業者が公に提供するOTCでは国内初の事例となる。
LTCのハッシュレートが過去最高に。前日比で最大8.7%の価格上昇も記録した。ハッシュレート上昇の要因としては「マイニング設備の機能向上」と半減期の接近等に伴う「LTC需要の高まり」が考えられる。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

コメントしてBTCを貰おう 新着ニュースをチェック

速報

新着記事

人気記事ランキング