年初から2倍に到達したビットコイン 初心者でもわかる仮想通貨高騰の背景

ビットコイン90万円目前に
高騰相場が続くビットコインは90万円まで価格を回復。下落が続いた2018年の値動きから何が変化したのか?強い上昇トレンドの背景と最新状況を解説する。

仮想通貨市場

仮想通貨市場は14日、ビットコインが一時90万円に迫る高騰で、アルトコイン市場にも上昇トレンドの余波が広がった。bitFlyerのBTC/JPYペアにて、高値88万5千円をつけたビットコインは日間騰落率で15%高、1日で10万円を超える大暴騰を記録した。

現物先渡しビットコイン先物取引の提供を延期していたBakktが承認試験の準備を進めると発表したほか、スターバックスなど米大手企業15社が仮想通貨決済の受け入れ開始したことなどが上昇を牽引した。また、中国が対米報復関税措置を発表したことで米国株式市場が急落、リスクオフムードの中で資金が安全資産に流入。上昇トレンドで堅調な推移を継続していたビットコインへの資金流入が起きたと見られる。

NYでは、仮想通貨業界最大規模のカンファレンス『コンセンサス2019』が本日開幕、業界内外の企業が一同に介しており、特大ファンダも続々と発表されている。

週足のRSIはすでに「買われすぎ」を示す70%を超えており、2017年末以来となる75%に到達した。2017年の高騰相場で見られていたRSIが機能しない強い上昇相場の様相を呈している。週足レベルでは、下落相場が始まってから約1年4ヶ月ぶりの高水準にあり、短期的な急騰が続いたことで過熱感も否めない状況にあるが、強いトレンドによるオシリエータ指標が機能しない状況になっている。

なお、この上昇を牽引しているのが、もっとも時価総額の高いビットコインである。市場の占有率を示すドミナンスの推移では、直近の高値水準にあたる56%を超え、14日の暴騰で大台の60%に到達。60%に達したのはCMEとCboeのビットコイン先物提供開始でバブルの最終局面を迎えた2017年12月以来、1年6ヶ月ぶりとなる。

ドミナンスからもビットコインへ市場内資金が流れる一極集中といったトレンド形成フェーズにあると見られるが、現在のアダプション(採用事例)などを含めたファンダメンタルズ要因がビットコインに集中していることを踏まえるとこの流れは一時的に続く可能性は十分に考えることができる。2018年に詐欺が横行した事実や低ハッシュレート・時価総額の仮想通貨に危険感が芽生えた(51%攻撃や価格操作など)2018年の流れもその理由の一つにある。

割安感で買いが入るか、下落相場を経て市場の温度感に変化が見られるか(BTC集中)、今後の資金流入の変化は極めて重要な意味を持ちそうだ。(特に時価総額上位のイーサリアムやリップルの値動き)

なぜ仮想通貨は上昇している? 今知るべき上昇要因まとめ

ビットコインの上昇要因は、実際なにが背景にあるのか?初心者も把握しておきたい内容をまとめた。

トレンド指標の転換

長期的なレジサポラインとして機能してきた200日平均線を2017年以来始めて上抜けした。

200日平均線を突破

移動平均線の短期〜長期全てが上昇に転換

2月より20日平均線と75日平均線のゴールデンクロスで上昇トレンド入りしたビットコインは、これら2つの移動平均線と200日平均線とのゴールデンクロスも確認。短期から長期にかけて強い上昇トレンドを示唆した。

下落ファンダでも下落しないビットコイン相場

テザーのUSDT裏付け問題が再燃したことや、中国政府によるマイニング禁止の可能性、またバイナンスのハッキングなど、これまでの相場では大きく売りを誘うファンダメンタルズ要因が発表されたなかでも、売りに傾かずに堅調な推移を継続したことで底堅さを示した共に、強い上昇トレンドを示した。

下落要因の払拭

マイニングハッシュレートの回復

11月の下落要因、続落要因となったマイニングハッシュレートが回復傾向に。また。マイニング業者の大多数が拠点を構える中国において、6月から豊水期が控えている。特に影響が大きい四川省や雲南省では業者が多数拠点を構えるため、今後も回復傾向が続く可能性が高いと見られている。

ビットコインキャッシュの分裂問題が収束

ビットコインキャッシュの分裂問題は、クレイグ氏個人の問題にも発展。ビットコインSV廃止へと波及したが、自体は収束に向かっている。

株式市場のリスクオフ

米中貿易戦争の激化とそれに伴うリセッション(景気後退)リスク、英国のブレグジット(EU離脱)問題など、地政学的リスクで国際株式市場の地合いが悪化している中で、リスク逃避資産としての需要が拡大しているとの見方が広がっている。

弱気相場時にはネガティブファンダに過敏に反応しやすいセンチメントに傾くなど、金融市場の下落に正の相関性を示す『リスク資産性』が高まるビットコインだが、上昇トレンド時にはリスクオフムードに影響されない安全資産としての側面も併せ持つ。

特に、中国が対米報復関税措置を発表したことで激化する米中貿易摩擦でリスクオフムードと見られるなかで、逆行高を記録したビットコインは、その安全資産性を金融市場に対しても改めてアピールした形となった。

米ニューヨーク「ブロックチェーンウィーク」

米国では本日14日より、CoinDesk主催の大型カンファレンス「コンセンサス2019」が開催されている。今年の登壇者や登壇内容の傾向として、IBMやDeloitteなどといった有名企業など仮想通貨やブロックチェーン技術を事業の一環とする「アダプション」が主流となっている。

また1日目にして特大発表がすでに複数行われており、カンファレンスに合わせて大きな発表がされていることから、価格への期待感も高まっていると言える。

過去のコンセンサス開催が市場に与えた影響は以下の通り。

コンセンサス前後の通貨価格への影響
データ提供:Fundstrat 2015 2016 2017 2018
コンセンサス中のBTC価格 +23% +10% +69% -4%
コンセンサス中のアルト価格 +95% +9% +176% +1%
コンセンサス後のBTC価格 +121% +78% +138% -28%
コンセンサス後のアルト価格 +56% +78% +552% -40%

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仮想通貨業界における重要カンファレンス「コンセンサス」が米時間13日から開催。過去のコンセンサスの相場への影響を振り返りながら今年の注目ポイントを選定した。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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