米大手顧客管理システム企業セールスフォース、独自のブロックチェーン・プラットフォーム発表

セールスフォースがブロックチェーン活用
顧客管理や営業支援を世界15万社以上に提供している米国の顧客管理システム開発会社セールスフォースが、ブロックチェーンを活用したプラットフォームの詳細を発表。その特徴と活用事例の広さが明らかになった。

顧客管理システム開発会社がブロックチェーン活用

世界15万社以上の企業に対して顧客管理や営業を支援しているセールスフォースが、ブロックチェーン・プラットフォームの詳細を発表した。Linux財団に支援されているオープンソースプロジェクトの1つ、Hyperledger Sawtoothを採用する。

このプラットフォームは自動化技術が採用されており、ブロックチェーンを活用したシステム構築の負担が軽減される。また正確なデータを企業パートナーや第三者機関などと信頼できるネットワーク上で共有することも可能で顧客とのネットワーク構築でも負担の軽減が期待できる。

セールスフォースは今回のプラットフォームの特徴を3点挙げている。まず1つ目がアプリやネットワーク、スマートコントラクトの構築や維持がクリック操作が可能で、コード作成は必要ない。

2つ目がデータの自動化だ。検索やそのプロセスの自動化のようなマーケティングフローを実現する。同社のアインシュタインという人工知能を統合し、販売予想などを立てることも可能。

3つ目は企業パートナーをブロックチェーン上に参加させることも容易にできることだ。数クリックでこのプロセスを完了させることができる。

ブロックチェーンの実証実験例

セールスフォースのブロックチェーン技術を現在実証実験しているパートナーは以下の3つだ。

  • アリゾナ州立大学
  • アリゾナ州立大学ではセールスフォースのブロックチェーンを活用し、教育を実施する上で情報共有に役立てている。学生の学習記録の管理にも活用しているようだ。データ管理の透明性を高め、プロセスの簡易化を目指している。

  • IQVUA
  • 生命科学業界にデータ分析結果などを提供する世界的な企業IQVUAは、ブロックチェーンという新しい技術が生命科学やヘルスケアに与える影響の大きさに期待している。具体的には規制情報の管理や薬品のラベル作成のプロセスへ活用する。コスト削減や情報追跡の簡易化が目的だ。

  • S&Bグローバル・レーティング
  • 世界的な格付け機関S&Bグローバル・レーティングは、新規銀行の認証プロセスの時間削減を狙っている。顧客を確認するプロセスに分散型の台帳を用いれば、より透明性を高めることができ、監視も強化できるとしている。現在顧客確認のプロセスには非常に時間がかかっているようだ。

今回セールスフォースが発表したブロックチェーンを活用したプラットフォームは、上記のように活用の幅が広い。今後実証実験に成功し、有名企業のブロックチェーンがさらに普及していけば、実用例の拡大や業界の発展に与える影響は大きいだろう。セールスフォースの取り組みにこれからも注目していきたい。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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