米カストディ企業、仮想通貨を対象にした「一体化」保険サービスを開始
- 新たな仮想通貨保険サービス発表
- 米カストディが仮想通貨を対象にした保険サービスを英ロイズ加盟企業を通して開始すると発表した。補償範囲がサービスによって違うという現状の問題を解決した新しいサービスだという。
米カストディが新しい仮想通貨保険サービス開始
米国のカストディサービス企業Anchorage「アンカレッジ」社が、仮想通貨を対象にした保険サービスの提供を開始すると発表した。
今までの仮想通貨のカストディサービスの保険には大きな課題があり、それは保証範囲が一律ではないということだという。
たいていの保険サービスの保証範囲はホットウォレットとコールドウォレットが混在している。コールドウォレットにある仮想通貨のみが対象だったり、ホットウォレットにあった問題の対象になっている仮想通貨だけが対象だったりとルールが様々である。この問題を解決するために考えられたのが、アンカレッジ社のサービスだと同社のCEOが説明している。
アンカレッジ社の保険サービスは、事実上ホットウォレットとコールドウォレットの両方が対象になる。このサービスはコールドウォレットに資産を置いておくよりも安全性と保障が高いとしている。
アンカレッジ社は本来、機関投資家が安全にデジタル資産を保有できるようにすることを目的にスタートしている。「機関投資家が保有する仮想通貨は金額が大きく、危険に晒されやすいため、保険サービスが必要だ」という考えに至った。
デジタル資産は比較的新しく、デジタル資産を対象にしたカストディサービスはさらに新しいものだ。その補償には限度があり、すべてのサービスがその補償金額を競っている。
今後のサービス向上のために、アンカレッジ社は、英国発の保険大手ロイズ傘下の登録企業Aon社と提携。Aon社は過去に米国の最大手仮想通貨取引所コインベースとも提携し、その結果コインベースは複数の保険企業から最大2億5500万ドル(約280億円)総額の補償を受けるまでになった。アンカレッジ社もその知恵を借りながらサービスの向上に努めるという。
なお、米カストディ大手BitGoは2月に、ロイズと連携し最大110億円の保険を提供することを発表した。
このようにいくつかの大手仮想通貨企業は保険サービスを開始したものの、業界全体を見渡すと充実しているとはいい難い。そんな中で今回のような一歩進んだ保険サービスが生まれたことは注目に値する。アンカレッジ社の取り組みが業界の発展や期待されている機関投資家の参入にどのくらい貢献できるか期待して見守りたい。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します