米大手小売ターゲット社「近代的なプラットフォーム」ブロックチェーンに着目
- 米小売ターゲット、ブロックチェーン着眼
- 米国において8番目の規模を誇る大手小売企業ターゲット社がブロックチェーンプラットフォームを導入する方針が判明。サプライチェーンにおける活用など今後に向けて積極的な姿勢が垣間見える。
米小売大手ターゲット、ブロックチェーン着眼
大手ウォールマートなどと共に米国において8番目の規模を誇る小売企業「ターゲット(Target)」社がサプライチェーンの管理などにおいてブロックチェーン技術を活用する新プラットフォーム「ConsenSource」を導入することが明らかになった。またLinux財団のHyperLedgerプロジェクトも後援する方針やブロックチェーン開発者を募集するなど、米国の大手小売企業がブロックチェーン技術を積極的に導入する姿勢が伺える。
ターゲット社幹部のJoel Crabbの投稿によると、同社は昨年中旬から同社独自の紙製品における製造に係るデータやサプライチェーン周辺の管理を目的にブロックチェーン活用に着目。独自の開発が難航化していたため、食材メーカーのCargil社やインテル、BitWiseなどの協力の元、HyperLedgerの導入に至ったという。
同社がブロックチェーン技術に着手している憶測は以前から飛び交っていたが、今年2月米SECに提出された年次レポートでは以下のようにブロックチェーン導入を示唆するような文章が含まれていたことが話題視されている。
既存メインフレームに頼るシステムやミドルウェアへの依存脱却を図るべく、在庫管理やサプライチェーン関連のトランザクションを記録する、より「近代的なプラットフォーム」に移行している最中だ。
この「近代的なプラットフォーム」がブロックチェーン技術を指している可能性は高いと言える。最近では世界最大級のコーヒーチェーンのスターバックスもコーヒー豆のサプライチェーン管理や原産地の証明など、トラッキングを目的にマイクロソフト社が開発したAzureブロックチェーンの活用を表明していた。
また世界4大会計事務所の一つであるアーンスト・アンド・ヤングも独自の企業向けブロックチェーンをアジアの名門ワイン企業に提供してワインの品質管理や真贋性保証に活用される事例など、一般的に大手企業と認知されているグローバル企業が徐々にブロックチェーン技術に足を入れる動向が目立つ。
ブロックチェーン求人も密かに開始
さらにターゲット社のホームページからは同社がブロックチェーン開発者を募集していることがわかっており、同社がブロックチェーン技術に対する姿勢が改めて伺える事例となった。
ターゲット社のような米国の小売業社ではウォールマートが中国の清華大学と一部の豚肉加工企業と共に豚肉のトレーサビリティ向上に向けた実験や、医薬品の追跡を行うブロックチェーン・コンソーシアムに参加するなど、積極的にブロックチェーンに係る取り組みを続けている。
ブロックチェーンか仮想通貨、どちらが社会に実普及するかは別としてもターゲット社などの大手企業がブロックチェーン技術を活用する流れは今後も続くだろう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します