ビットコイン(BTC)高値更新でドミナンス60%超、過去最大規模のCME先物SQに警戒感も|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場
- 仮想通貨ビットコイン(BTC)が乱高下しつつ直近高値を更新する中、海外アナリストが指摘する「取引高と価格との関係性」を探る。今週末はG20に加え、過去最大規模のCME先物決済日もあり、難しい局面を迎える。
仮想通貨ビットコイン(BTC)市況
ビットコイン(BTC)は、アセンディングトライアングル上抜けで直近最高値を更新。120万円の上値抵抗帯を上回り、121〜122万円付近で推移するも、21時頃に3〜4万円幅の急落を見せた。
22日以降は大きく下がればすかさずロングが入るような状況にあり、買い意欲旺盛と言える。24日に113万円まで下落したのを最後に、下値を切り上げ続けるなど強い形状にあったが、このような急騰・急落は大相場には付き物なので注意したい。
ドミナンスも再び60%を超えるなど、ビットコイン(BTC)に資金が集中している様子がうかがえる。
背景には、イランを巡る中東情勢で軍事的緊張が高まったことで、「金(ゴールド)」価格が急騰した影響もある。
日銀の対応が各国中央銀行の金融緩和姿勢に遅れた場合、円高・ドル安が加速するとの見方も強く、世界的な「低金利・通貨安」が進むにつれ、デジタル・ゴールドと呼称されるビットコイン(BTC)にとって追い風となる可能性も指摘されている。
28~29日には、大阪で開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、米トランプ大統領と中国の習近平国家主席とトップ会談を控えており、様子見基調が強まっている。
もう一つ直近ファンダとして注目されるのが、日本時間6/29(土)0:00前後に行われる、CMEのビットコイン(BTC)先物決済日だ。
CMEの正式名称はChicago Mercantile Exchangeで、米国にある「シカゴ・マーカンタイル取引所」のこと。金融先物取引所で、農産物・通貨・金利・株価指数等、広い範囲の先物取引・先物オプション取引を行なっており、仮想通貨ビットコイン先物も取り扱っている。
6月17日には、CMEの1日あたりのビットコイン先物の建玉が過去最高を記録した。建玉(たてぎょく)とは、信用取引や先物取引、オプション取引において取引約定後に反対売買されないまま残っている未決済分を指す。
CMEによると、過去最高水準となった建玉は5,311枚で、これは26,000BTC(260億円)に相当する。1年前となる昨年6月の水準と比較すると2倍以上の増加だ。
なお、CMEは建玉の増加について、「機関の関心の高まりを示している」と言及。取引の着実な増加に期待感を表した。その背景には、米大手デリバティブ取引所Cboeが、6月20日付でビットコイン先物提供を取り止めた影響もある。
また、日本経済新聞によれば、金融庁の報告書をきっかけにクローズアップされた「老後2000万円問題」がマスメディアで大きく報じられたことで、個人が資産形成へ動き始めている。
報道が相次いだことで将来に対する漠然とした危機感が募り、資産運用の関心が急増したことで、資産運用系セミナーへの参加希望者が殺到。ネット証券では20~40代の若い世代を中心に、運用益が非課税になる「少額投資非課税制度(NISA)」の申し込みも急増しているという。
金融庁は6月3日、最新の報告書「高齢社会における資産形成・管理」 で、老後に備えて金融資産2000万円の貯蓄が必要だとしたが、年金頼みの生活設計が事実上破綻する可能性を示唆したとして大騒動に。政府が「国民の不安を招くような資料内の表現は語弊がある」と言及し、撤回を余儀なくされるなど事態が紛糾していた。
給与所得のほかに資産形成・運用といった自助努力を行い、金融庁が推奨していた積立投資などの堅実かつ中・長期運用を中心に2000万円もの金融資産を貯めるのは、現実的には容易ではない。
このような時代背景もあり、伝統金融商品である株式や投資信託に加え、少額資金から運用できる新しい資産クラスの仮想通貨ビットコインにも関心が集まっており、若年層における資産運用需要は将来的にますます高まっていくことが想定される。
ビットコイン(BTC)取引高と価格との関係性
Nodesourceの設立者であるJoe MaCann氏はツイッターにて、現在のビットコイン市場に対する感想を述べている。
このチャートの嫌な部分は、その取引高だ。ただ数日間か数週間、あるいは数年間は急騰し続けるかもしれない。
信じられないなら、S&P 500の過去10年の取引高を見てほしい。(価格は上昇しているのに)取引高は下がり続けている。
そして2018年10月に取引高はピークを迎えている。
急騰する際は、赤いロウソク足の取引高が最も高いことに気づくだろう。
MaCann氏の主張はつまり、出来高の減少と反比例して価格が上昇し続け、一定の範囲まで出来高が減少した際に、価格上昇に歯止めが掛かるというものだ。それを踏まえた上でもう一度、BTC/USDチャートを振り返ると、確かに出来高が減少傾向にあることが見て取れる。
MaCann氏は、惰性速度でビットコイン価格が一定の伸びを見せる可能性を示唆したが、一方で、これを価格がピークに接近している兆候ととらえているようだ。
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