米国にはStrategyやCoinbaseなど、仮想通貨と深く関わる上場企業が多くあります。新NISAの成長投資枠を使えば、国内の証券口座から1株で購入可能です。
採掘やステーブルコイン発行を本業とする会社も上場しており、国内にあまり見られないタイプも豊富です。
この記事では、海外の仮想通貨関連株を5タイプに分け、国内との違い・買い方・注意点を解説します。
目次
海外の仮想通貨関連株とは?国内との違いと連動の見方
ここでは、海外の仮想通貨関連株の特徴と国内との違い、連動の見方を紹介します。
海外仮想通貨関連株とは
海外仮想通貨関連株とは、仮想通貨と関わる海外上場企業の株式を指します。
国内の関連株と同様に、仮想通貨を持たなくても株を通じて値動きの影響を受けられます。ただし、保有・取引所・採掘・発行と、国内より幅広いタイプの企業がそろっています。
本記事では主に米国市場を扱いますが、豪州やカナダの企業も含めて「海外」と呼びます。
国内と海外は何が違うのか
国内にも仮想通貨関連株はありますが、海外、とりわけ米国とは規模も銘柄の種類も異なります。
主な違いは以下のとおりです。
国内と海外(米国)の主な違い
| 比較する点 | 国内 | 海外(米国) |
|---|---|---|
| 企業の規模 | 数百億〜1兆円規模 | 数兆円規模の銘柄もある |
| 銘柄のタイプ | 保有・取引所・基盤・間接が主 | 5タイプ(保有・取引所・採掘・発行・間接)がある |
| 主要指数への採用 | 限定的 | S&P500採用銘柄もある |
| 情報の言語 | 日本語で読める | 英語のIR・開示が主体 |
なかでも、採掘(マイニング)やステーブルコイン発行を本業にする会社まで、米国では普通に取引されています。
米国にはビットコイン現物ETFもありますが、2026年6月時点では日本の証券会社で購入できません。
ビットコイン現物ETFは、ビットコインの価格に連動する商品です。仮想通貨を直接保有しなくても、証券口座で投資しやすい点が特徴です。(詳しくは記事の後半で紹介します)
「ビットコインが上がれば全部上がる」は本当か
仮想通貨関連株で気になるのは、仮想通貨が動いたときの株価の連動でしょう。連動の「強弱」だけでなく「何に連動するか」もタイプごとに異なるという点にも注目です。
タイプ別に見た連動の仕方
| タイプ | 主に連動するもの | 連動度 |
|---|---|---|
| 財務保有型 | 保有する仮想通貨の時価+上乗せされるプレミアム | 強 |
| 取引所運営型 | 取引の活況・売買高 | 中〜強 |
| マイニング型 | 採掘の採算・電力コスト(+AI需要) | 中〜強 |
| ステーブルコイン発行体 | ステーブルコインの発行量+米国の短期金利 | 中(質が異なる) |
| 決済・間接型 | 本業の業績 | 弱〜中 |
たとえばステーブルコイン発行会社は、収益が仮想通貨の価格ではなく金利から生じます。そのため、ビットコインが上がっても株価が連動しない場合もあります。
もっとも、相場が活況になると流通量が増えやすい面もあります。一方で、決済や送金の需要でも伸びるため、相関は中程度と考えられます。
タイプ別・海外の代表的な仮想通貨関連株
ここでは5つのタイプごとに、代表的な銘柄と特徴を紹介します。
保有量・時価総額は2026年6月時点
① 財務保有型(トレジャリー・DAT)
財務保有型の企業は、手元資金をビットコインなどに振り向け、長期で保有する傾向があります。価格との連動は最も強く、保有量が多いほど、仮想通貨の値動きが株価に大きく反映されます。
財務保有型の代表銘柄
| 銘柄(ティッカー) | 仮想通貨との関わり | 連動度 | 時価総額の目安 |
|---|---|---|---|
| Strategy(MSTR) | ビットコインを大量に保有(約85万BTC) | 強 | 約300億ドル |
| BitMine Immersion(BMNR) | 世界最大級のイーサリアム保有企業(2026年6月時点で約570万ETH) | 強 | 約75億ドル |
Strategyは旧マイクロストラテジーで、世界最多のビットコインを持つ上場企業です。株価はビットコインの値動きを1.5〜2倍ほどに増幅して映しやすいのが特徴です。
一方のBitMineは、Strategyと同様の保有戦略を、ビットコインではなくイーサリアムで実行しています。
②取引所運営型
仮想通貨取引所を運営するタイプです。取引が活発になるほど業績が伸び、取引量の増減がそのまま収益に表れます。
取引所運営型の代表銘柄
| 銘柄(ティッカー) | 仮想通貨との関わり | 連動度 | 時価総額の目安 |
|---|---|---|---|
| Coinbase(COIN) | 米国最大級の取引所を運営 | 中〜強 | 約300億ドル |
Coinbaseは、2025年5月に仮想通貨業界の企業として初めてS&P500に採用されました。手数料に加え、ステーブルコインやカストディからも収益を得ます。ただ業績は相場次第で、相場が冷え込むと業績も鈍りやすい点には注意が必要です。
③マイニング型|「AIインフラ」になりつつある
大規模な計算設備でビットコインを採掘し、主な収益源としています。国内ではほとんど上場例がなく、海外市場に特有だといえます。
マイニング型の代表銘柄
| 銘柄(ティッカー) | 仮想通貨との関わり | 連動度 | 時価総額の目安 |
|---|---|---|---|
| MARA Holdings(MARA) | 米国最大級の採掘企業 | 中〜強 | 約50億ドル |
| Riot Platforms(RIOT) | 採掘+データセンター | 中〜強 | 約100億ドル |
| CleanSpark(CLSK) | 採掘を本業に事業を拡大 | 中〜強 | 約37億ドル |
| IREN(IREN) | 採掘+AIクラウド(豪州発) | 中〜強 | 約100億ドル |
ビットコインの価格だけでなく、採掘難易度の上昇や電力コストの変動によって採算が左右されやすい点も、マイニング型の特徴です。
採掘用の電力やデータセンターをAIの計算処理に転用する企業が増えており、採掘銘柄に見えても収益の中身はAIインフラ企業に近いこともあります。
四半期決算で、収益が仮想通貨とAIのどちらから来ているかも注目です。
④ステーブルコイン発行体
ステーブルコイン発行体は、ドルと価値を連動させたコインを発行し、その運用益を収益とします。国内に上場例はないですが、海外ではよく見られるタイプです。
ステーブルコイン発行体の代表銘柄
| 銘柄(ティッカー) | 仮想通貨との関わり | 連動度 | 時価総額の目安 |
|---|---|---|---|
| Circle(CRCL) | ステーブルコイン「USDC」を発行 | 中(質が異なる) | 約140億ドル |
Circleは、USDCを発行する会社で、2025年6月に米国市場へ上場しました。主な収益は、預かった資金を米国の短期国債で運用して得られる利息です。業績はビットコインの値動きよりも、米国の金利やステーブルコインの発行量に影響を受けやすいです。
⑤決済・Web3間接型
決済・Web3間接型は、本業を別に構えながら、仮想通貨には事業の一部として参入しています。仮想通貨の比重は小さく、株価への影響も限定的です。
決済・Web3間接型の代表銘柄
| 銘柄(ティッカー) | 仮想通貨との関わり | 連動度 | 時価総額の目安 |
|---|---|---|---|
| Block(XYZ) | 決済アプリで仮想通貨売買を提供 | 弱〜中 | 約400億ドル |
| Robinhood(HOOD) | 投資アプリで仮想通貨取引を提供 | 弱〜中 | 約800億ドル |
Blockは決済アプリ上で、Robinhoodは投資アプリ上で仮想通貨の取引を扱っています。どちらも仮想通貨は事業の一部のため、相場の影響は前述の4タイプよりも穏やかです。
思惑銘柄をどう見分けるか
「仮想通貨関連」を掲げていても、実体のともなわない銘柄は少なくありません。
- 開示資料で確かめる
米国企業はSEC(証券取引委員会)への提出書類で保有量や事業内容を公開、数字で確認できるかがポイント - 増資の中身を見る
新株発行で集めたお金で買い増す例もあるため、1株あたりの保有量が増えているかを確かめる - 「検討中」で止まっていないか
参入を発表しただけで事業が動いていない会社もある
日本から買う方法と証券会社の選び方
ここでは、海外の仮想通貨関連株の買い方と、証券会社の選び方を紹介します。
海外の関連株は買えるが、ビットコイン現物ETFは買えない
現行の投資信託の法制度では、暗号資産はファンドの投資対象として認められておらず、ビットコイン現物ETFは2026年6月時点では日本の証券会社で購入できません。
ただし、国内で制度の見直しが進んでおり、2028年にも解禁される見通しです。詳しくは、「ビットコインETFとは?」をご覧ください。
当面ETFが使えないなか、その代わりになる選択肢が仮想通貨関連株であるといえます。
仮想通貨に投資する3つの手段
| 投資する手段 | 日本からの買いやすさ | 仮想通貨との連動 |
|---|---|---|
| 海外の仮想通貨関連株 | 国内の証券口座で買える | 株を通じて間接的に受ける |
| 海外のビットコイン現物ETF | 国内の証券会社では買えない | 価格にほぼ連動する |
| 国内の仮想通貨関連株 | 国内の証券口座で買える | 株を通じて間接的に受ける |
ただし関連株は、ETFの代わりにはなっても、値動きが完全に一致するわけではない点には注意が必要です。
出典:金融庁「資金決済法等の改正について」
証券会社の選び方
海外仮想通貨関連株は、米国株対応のネット証券で購入できます。MSTRやCOINも通常の米国株として注文可能です。
主要ネット証券の米国株サービス(2026年6月時点)
| 証券会社 | 取扱銘柄数 | 売買手数料 | 為替手数料(買付時) | 最低単位 |
|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | 約6000超 | 約定代金の0.495%(上限22ドル) | 0銭 | 1株 |
| 楽天証券 | 約4500超 | 約定代金の0.495%(上限22ドル) | 0銭 | 1株 |
| マネックス証券 | 約5000超 | 約定代金の0.495%(上限22ドル) | 0銭(買付時) | 1株 |
コストは、売買手数料と為替手数料の合計で見ると差が出ます。取扱銘柄や手数料は各社で異なるため、最新の条件は公式情報で確認できます。ネット証券の情報・比較は「仮想通貨投資家におすすめのネット証券」をご覧ください。
NISAと特定口座、どう使い分けるか
口座によって税金の扱いが変わります。新NISAの成長投資枠なら、米国の個別株も買え、利益に日本の税金がかかりません。特定口座(源泉徴収あり)であれば、証券会社が損益を計算して税金が差し引かれるため、原則として確定申告は不要です。
海外仮想通貨関連株ならではの注意点
ここでは、海外の仮想通貨関連株を持つときの注意点を、為替・税金・値動きの順で解説します。
為替で円換算リターンが目減りする
海外株は米ドル建てで取引されるため、円に換算した際の損益には為替変動が含まれます。
- 円高が進んだとき
株価がドル建てで10%上がっても、円に戻すと利益は目減りし、場合によっては円換算で損になることもある - 円安が進んだとき
為替が利益を押し上げる方向に動く
税金は二重課税になる
海外株は税金のかかり方が国内株とは異なり、売却益と配当で扱いが分かれます。
- 売却益(譲渡益)
米国では課税されず、日本で20.315%がかかります。税率・手続きは国内株と同じ - 配当
米国で10%が引かれ、その残りに日本で20.315%がかかる。負担は実質約28.3%で、100ドルなら手取りはおよそ72ドル
二重課税を緩和するために、外国税額控除という仕組みが設けられています。確定申告を行えば、米国で課された税額の一部または全部が控除の対象となります。
- 控除には上限があり、全額が戻るとは限らない
- 特定口座(源泉徴収あり)を使っていても、控除を受けるには確定申告が必要
- 新NISAの配当は、日本の税金がかからない代わりに控除の対象から外れ、米国の10%が残る
出典:国税庁「居住者に係る外国税額控除」
上げも下げも2倍効く|プレミアムの仕組み
財務保有型の株価は「保有する仮想通貨の時価」と「市場が上乗せする期待(プレミアム)」の2段重ねで動きます。そのため、財務保有型(トレジャリー)には、特有の値動きの傾向があります。
- 上がる局面
保有資産の評価額が増え、さらに期待が上乗せされることで、株価の上昇幅は仮想通貨の値上がりを上回る - 下がる局面
保有資産の価値が下がり、市場の期待も縮むため、株価は仮想通貨以上に大きく下落する
mNAVが1倍を下回る場合、新株発行による買い増しは既存株主の持ち分を希薄化させるおそれがあります。2026年に入り、1倍を下回るトレジャリー企業も見られるため、保有銘柄のmNAVは確認しておきたい指標です。(財務保有型の詳細はDAT企業とはでも解説しています)
よくある質問(FAQ)
ここでは、海外の仮想通貨関連株について、寄せられやすい疑問に答えます。
-
海外の仮想通貨関連株はNISAで買えますか? +
海外の仮想通貨関連株は、新NISAの成長投資枠で購入できます。ただし上場廃止が予定される銘柄などは対象外なので、購入前には証券会社のページで確かめましょう。
-
海外のビットコインETFは日本から買えますか? +
海外のビットコイン現物ETFは、2026年6月時点では日本から購入できません。現行の法制度で対象外のためです。値動きを株で取り込むなら、関連株が候補となります。
-
配当の税金は?二重課税は取り戻せますか? +
米国株の配当は、米国で10%、残りに日本で20.315%がかかり、二重課税になります。確定申告で外国税額控除を適用すれば、米国分の一部または全部を控除できます。ただし新NISAの配当は控除の対象外で、米国の10%はそのまま負担となります。
-
少額・1株からでも買えますか? +
海外の仮想通貨関連株は、1株から購入可能です。主要なネット証券は米国株を1株単位で扱い、数十ドルで買える銘柄もあります。最低単位は1株なので、気になる銘柄があれば少額から試してみましょう。
-
国内株と海外株、どちらを選べばよいですか? +
国内株と海外株は、それぞれ特徴が異なります。海外株は銘柄が豊富な一方、為替・二重課税・英語情報の負担があります。国内株は情報も為替面も扱いやすいです。投資の目的や経験に合わせて、自分に合うほうを選ぶとよいでしょう。
海外の仮想通貨関連株のまとめ
海外の仮想通貨関連株は、国内にない企業タイプが揃う投資先です。
- 国内との違い
米国は市場規模が大きく、採掘やステーブルコイン発行など国内にないタイプの企業も上場 - 5つのタイプと連動の質
財務保有・取引所・マイニング・ステーブルコイン発行・決済の5タイプに分かれ、「何に連動するか」はタイプごと異なる - 買い方の違い
米国の関連株は国内の証券口座から1株で購入可能だが、米国のビットコイン現物ETFは2026年6月時点で購入不可 - 海外固有の注意点
為替による円換算リターンの目減り、配当の二重課税、英語での情報収集などの手間もある
まずは5つのタイプから自分に合った型を絞り、代表銘柄を証券会社のページで調べるところから始めましょう。
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