トロンの子会社BitTorrent、ライブストリーミング用プラットフォームのテスト開始へ
- BitTorrentのライブストリーミングサービス
- BitTorrent社が、ブロックチェーンを活用したライブストリーミングプラットフォームのテスト利用を開始することが分かった。仮想通貨BitTorrent(BTT)の投げ銭や決済利用での経済圏構築を目指す。
ライブストリーミングの試験開始
仮想通貨企業TRON(トロン)の子会社で、10億人超のユーザーが利用する世界最大級の分散型プロトコルを運営するBitTorrent社が、2019年今四半期中(9月中)に、ブロックチェーンを活用したライブストリーミングプラットフォームのテスト利用を開始すると公表した。
このプラットフォームは「BitTorrent Live(BLive)」という名称で、ライブ動画を配信したり、同じ興味を持つユーザーとつながることができるという。音声のライブストリーミングを配信することも可能で、複数のユーザーとのチャット機能も備える。また、トップユーザーのランキングや関連コンテンツを表示する機能も搭載される。
仮想通貨BTTの役割
BLiveでは、収益化する機能もある。BitTorrent(BTT)などの仮想通貨で投げ銭を受け取ったり、BTTで購入したギフトをプレゼントとして配信者に送ることもできる。またギフトをBTTに変換することも可能だ。それだけでなく、技術的なメンテナンス、コンテンツ作成、イベント計画といった活動をすることでもBTTで報酬が得られるという。
決済には、ビットコイン(BTC)やBTTなどの仮想通貨が利用でき、クレジットカードや、PayPal、Googleウォレット、 Android Pay、Apple Pay、WeChat、Alipay等も利用できると公式ブログで発表している。
BitTorrent社は国際送金で生じる摩擦や問題を解決することをBLiveの主要な目的としている。その目的を達成するために仮想通貨を活用し、セキュリティと利便性の高いサービスを提供する。また、仮想通貨の他のユースケースも探っていくという。
ジャスティン・サンの発言
仮想通貨トロンの開発者でBitTorrentのCEOも務めるジャスティン・サン氏は、「通信技術の発達やSNSの普及で、ライブストリーミングの利用は徐々に拡大してきた。今やインターネット技術の2ダークホース的存在と言える」と説明している。また、「結果、何千人というフォロワーを持つ優秀なコンテンツクリエイターが生まれたが、広告収入やギフト収入では、公平な利益を得られていない」とも語っている。
大半のプラットフォームが、発生する利益の90%を手元に残していると言われているため、Bliveでは、コンテンツクリエイターが公平な取り分を得られるように努めるという。通常10%とされるユーザーの取り分が、BLiveでは30%。またそれをブロックチェーン上に透明性が高い状態で記録するという。
Bliveは、2019年第3四半期から2020年第1四半期(9月から翌年3月)にかけて、アルファ版、ベータ版、完成版と順番に作成していく。アルファ版では、少数のユーザーが利用可能になり、そこから改良を重ねていく予定だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します