
人為的抑制か?
仮想通貨オンチェーン分析会社Cryptoquantの登録アナリストCrypto Danが5日、現在の仮想通貨ビットコイン(BTC)強気サイクルが過去の動向と大きく異なる特徴を示していると発表した。2024-25年サイクルでは強い上昇後に急激な下落が2回発生し、従来パターンからの逸脱が顕著だという。
過去の強気サイクルと比較すると、2017年はサイクルの中後期に7-8ヶ月の調整期間があり、2021年ピークのサイクルは2020年発生の新型コロナの影響で初期に約1年の長期調整(2019年-2020年)が発生した。いずれも大きな調整後には強い上昇トレンドが続く典型的なパターンが示されていた。
現在のサイクルでは2024年3-11月と2025年1-4月に調整局面が発生し、アルトコイン市場が大幅に不調となっていた。この期間中に市場センチメントは著しく悪化したものの、短期間の強い反発も見られていた。
分析では、現在の動向は影響力の大きい市場参加者による人為的な市場抑制とみられ、過熱した市場を冷却する意図があると指摘。このような操作は強気サイクルの延長を狙った戦略の可能性が高いという。
Crypto Danは最終的にバブル的な陶酔段階で今回のサイクルが終了すると予想している。

一方、米フィデリティ・デジタル・アセットが発表した半減期に関する分析レポートによると、2024年4月の半減期から1年後のビットコイン価格の上昇率は31%にとどまり、過去の半減期後1年の300%や567%の上昇と比べて控えめな推移となった。ビットコインが企業採用の増加を背景に準備金資産として成熟しつつあることから、従来のような劇的な価格変動は今後減少していくとの見方もある。
関連:ビットコインどうなった? 4回目半減期から1年経過=レポート
関連:上場企業のビットコイン保有急増も、価格下落で清算の懸念=スタンダード・チャータード分析