
終わりに近いのか?
『ビットコインスタンダード』の著者サイファディーン・アモウズ氏は6月3日公開のCoin Stories取材で、ビットコイン(BTC)強気相場サイクルの現状について分析を発表した。同氏は過去の半減期サイクルと比較し、現在の相場がピークに近づいている可能性があると指摘している。
アモウズ氏はBTCの価格動向について、2025年中の20万ドル到達は可能だが、急激な上昇後の大幅下落リスクを警告した。歴史的に半減期から12-18ヶ月後に相場頂点を迎える傾向があり、現在はその時期に該当するという。
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ウォール街の機関投資家によるビットコイン制度化については「避けられない流れ」と評価した。同氏は個人的には他の投資家が10万ドル以下でビットコインを取得することを望むとしながらも、市場参加者の選択を尊重する姿勢を示している。
一方、企業準備金でのビットコイン採用については、80%の価格下落に耐えられないビジネスモデルの見直しを促した。同氏は「ビットコインは過去に70-80%下落した経験があり、再び起こりうる」と警告している。
スタンダード・チャータード銀行も同日、上場企業のビットコイン財務戦略に関する警告レポートを発表した。現在60社超の企業が67万BTC以上を保有し、平均購入価格から22%下落すれば強制売却の波が発生する可能性があると分析している。
同行のケンドリック氏はレポートで、ビットコイン価格が9万ドルを下回れば企業の半数が含み損を抱えることになると指摘した。ETFアクセス改善により企業株価への下向き圧力も懸念されている。
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さらに、アモウズ氏は同じ取材で、金(ゴールド)本位制復帰の可能性について否定的な見解を示した。各国政府が金に対して否定的な立場を取り、国際的な金決済システムの構築が進んでいないことを理由に挙げている。
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