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米クラリティー法案が重要局面に、マークアップに向け前進

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 銀行預金と同等の利子付与を禁止、取引活動連動は容認
  • ティリス・アルソブルックス両議員が超党派で最終合意

銀行預金と同様の利子は禁止の案

米国のトム・ティリス上院議員とアンジェラ・アルソブルックス上院議員は1日、仮想通貨市場構造法「クラリティー法案」におけるステーブルコインの利回り条項について妥協案をまとめた。この合意文書は銀行業界と仮想通貨推進派による数か月にわたる交渉を経て作成されており、法案成立に向けた最大の障壁の一つが解消された。

新たな条項では仮想通貨企業がステーブルコインに連動した報酬を提供する要件が定められ、銀行預金の利子と経済的または機能的に同等な方法での利回り付与が禁止されている。取引所口座に単に預けられているステーブルコイン資産への利回りが禁止される一方で、ステーブルコインを利用した正当な取引活動に対する報酬の付与については制限の対象外となっている。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

米大手仮想通貨取引所コインベースのファリヤー・シルザド最高政策責任者はこの合意を受け、プラットフォームの実際の利用に基づいて報酬を獲得できるユーザーの権利が守られたと評価した。同氏はステーブルコイン問題の解決により法案のより広範な部分に注力できるようになったと述べ、今後の審議前進に期待感を示している。

ステーブルコイン条項での合意は上院銀行委員会におけるクラリティー法案の可決に向けた重要な一歩となるが、DeFi(分散型金融)やトークン分類など他の分野では依然として協議が続いている。また、規制当局に対しては情報開示や許容される報酬リストに関する新たな規制案の策定が指示されており、法案全体の調整にはさらに時間を要する可能性がある。

関連記事:米クラリティー法案が5月中旬に採決へ進展、ステーブルコイン利回りの懸念を解消か=報道

米上院のクラリティー法案について、ルミス議員は5月中旬の委員会採決に向けた進展を報告した。最大の障壁であった銀行業界の懸念が解消され成立への期待が再び高まっている。

「マークアップ」の現状と今後の見通し

今回の合意を受けて市場の一部では「法案のマークアップ(草案作成から採決に進む委員会プロセス)が完了した」との誤解が広がっているが、実際には上院での正式なマークアップはまだ実施されていない。妥協案の公開は採決に向けた大きな進展であるものの、委員会で修正案が提出され正式な承認や破棄が決定される手続きはこれから行われる予定である。

現在の楽観的な見通しでは、5月中旬に委員会のマークアップが予定されており、その後上院本会議での採決や下院案との最終調整が行われるシナリオが有力視されている。ティム・スコット委員長らは法案の前進に期待を示しているが、委員会内の共和党議員からの全面的な支持はまだ完全に確定していない状況にある。

関連記事:米クラリティー法案の成立確率は約50%、ギャラクシーが分析 残る5つの障壁と8月までの立法期限

ギャラクシー・デジタルとTDカウエンが米国のクラリティー法案の成立確率を約50%と分析した。ステーブルコイン利回りに加え、DeFi条項・倫理規定・SEC定足数など複数の未解決論点が立法を複雑にしている。

デジタル資産の規制枠組みを構築する同法案は2025年7月に下院を超党派の支持で通過して以来、銀行業界からの反発やDeFi規制、倫理条項を巡る対立で上院に滞留し続けている。立法カレンダーや今後の選挙日程による時間的な制約が迫っており、今後数週間以内の委員会決定が2026年中の法案成立を左右する重要な鍵となるとみられる。

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