米大統領選、ブロックチェーン投票アプリを利用した投票を見送りへ=WV州

ブロックチェーン投票アプリの導入を見送り

米ウエストバージニア州が、ブロックチェーンを活用した投票アプリ「Voatz」を、5月開催の大統領予備選に導入しないことを決めた。オンライン投票におけるセキュリティの懸念が拭えず、導入を断念せざるを得なかったという。

当初の導入の目的は、できるだけ気軽に選挙に参加できる環境整備を通じた投票率の底上げ。導入できればアプリを通じて、身体が不自由な有権者や海外にいる米軍などもスマートフォンから投票できる施策として活用される予定であった。

ウエストバージニア州では過去に、Democracy Live社が提供するオンラインサービスを利用することを決定した。本サービスは投票用紙を印刷して郵送することもでき、ワシントン州などで活用事例がある。海外にいる有権者も活用することが可能だ。

アメリカで初めて選挙に利用されたのは2018年11月、モバイルブロックチェーン投票システムとして採用された。軍隊に所属する人々が国外、特に遠隔地に駐在していると、安全に投票用紙を受けとり、それを電子的手段または郵送で期限内に返送することが困難という背景があった。

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一方、その時から、セキュリティを不安視する声が上がっている。もちろん今回も同様だ。サイバーセキュリティの専門家がスマホの利用に懸念を示しており、投票に関する情報が改ざんされる可能性が指摘された。情報が改ざんされる可能性があれば、選挙結果の信頼も揺らぐ。結局懸念を払拭できないまま、最終的に投票アプリの利用を見送った。

しかし、今後もVoatzの利用を検討していくという。軍隊など海外にいる人々を対象にVoatzを利用している郡も米国には少しはあるようだが、ウエストバージニア州は州全体での利用を計画している。その分リスクは大きい。今回の判断を専門家は称賛しているが、オンラインシステムそのものにセキュリティ上の懸念を示す専門家もまだ残っている。

参考:NBC

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米バージニア州議で、有権者記録と選挙結果保護が目的とするブロックチェーン投票を調査・検討する法案が提出された。日本では、茨城県つくば市が、ブロックチェーン技術とスマホを利用した先進的な投票システムに取り組んでいる。

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