私募取引、5〜10年で個人投資家の「当たり前」に=米金融大手State Street幹部

デジタル資産の利用価値

米金融大手State Streetの幹部Jay Biancamano氏が、デジタル資産の普及によって今後5年から10年で、私募がトレードのスタンダードになるとの見解を示した。

Biancamano氏は、現在のマーケットが非効率である大きな原因は、参入障壁の高さにあると説明。証券取引における手数料や他のコストが原因で、多くのトレーダーにとって実質的な利益が低くなっていると語った。また、トークン分割の特性を生かし、小規模な市場に対しても流動性を供給できるメリットもある。

コストを抑えられるデジタル資産は、効率性が高く、人気が高まっている私募により多くの注文(流動性)をもたらす可能性を秘めていると話す。米証券取引委員会(SEC)が最近、適格投資家の定義を拡大したことで、個人投資家が私募取引に参加する機会が増えるとみている。

Biancamano氏は「SECが実際に、個人投資家が私募取引に参加するためのハードルを下げようとしているのであれば、それがスタンダードへの一歩となる」と説明。小規模の取引であれば、個人投資家も容易に私募に参加ができる。それを可能にするのがデジタル資産だという。

Biancamano氏は、デジタル資産は細かく分割することができるため、従来の資産よりも効率的に取引ができるだろうとメリットを語っている。昨年はRobinhoodやCash Appが少額投資サービスを開始。またCharles Schwabも同様の計画を発表した。

またBiancamano氏は、米メガバンクMorgan Stanleyが、安い手数料で取引を仲介するE*TRADEを買収したことを例に、機関投資家が個人投資家に注目する動きが高まっていると説明。私募取引を提供しようと狙っていると語った。

大手金融機関Morgan Stanleyが、個人投資家にサービスを提供するE*TRADEを買収したことによって、さらに莫大な数の顧客にも私募取引を提供できるようになったと説明。こういった一連の動きを根拠に、私募がスタンダードになると述べている。

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