ビットコイン日次採掘率が大幅上昇、大規模量的緩和で「仮想通貨BTCへの資金流入」は起こり得るか?

仮想通貨市況

6日のビットコイン(BTC)は、前日比0.62%高の96万円に。 9,200ドルのレジスタンスライン付近、9,172ドルから約200ドル幅反落した。

ニューヨーク時間(日本時間23時〜翌7時)にかけて、ダウ平均が約1,000ドル暴落したことも、投資家心理を再び悪化させた。米カリフォルニア州が4日、新型コロナウイルスの感染拡大に対する「非常事態宣言」を発令したことで、米市場における投資家のリスク回避姿勢が強まった。円高・ドル安が進行したほか、不安心理を投影する「VIX指数」も一時41台の高水準まで上昇している。

リスク資産としての性質を帯びるビットコインは、株式市場の追証回避で投げ売られるおそれがある一方、金融危機で大規模な量的緩和(QE)が実施され、米ドルなど法定通貨の価値を間接的に毀損すれば、ビットコインの価値は相対的に高まるとの思惑もある。

元来、ビットコインは、2008年に発生した米国発のリーマン・ショックで歴史的な大暴落に陥った伝統金融市場ならびに、中央銀行が中央集権的に管理する米ドルなど法定通貨の”アンチテーゼ”として誕生した経緯がある。

みずほ銀行のエコノミストの北野一氏は昨年4月、テレビ東京の経済番組モーニングサテライトにて、「ビットコインの高騰は、FRB(米連邦準備制度理事会)の信頼が揺らいでいたことが背景にあった可能性もある」と指摘。以下のような持論を展開し、市場関係者の関心を集めた。

ビットコインの特徴として、送金の利便性が良く挙げられるが、”抵抗権”の観点にも注目したい。

国家主体の法定通貨ではなく、世界中の多くの人に非中央集権的に支えられている仮想通貨ビットコイン。その特徴こそが、自分たちの生命や財産権が守ってくれるのではないかというのが、ビットコインに込められた意味だと考えている。

金本位制度が始まり、1753年〜1953年まで金利3〜6%で安定していた。金本位にしても中央銀行の独立性にしても、背景にあるのは抵抗権だ。そういった意味で、ビットコインには、本質的に『抵抗権』が含有されるという点は注目に値する。

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なお、仮想通貨ヘッジファンドBitBull CapitalのJoe DiPasquale CEOは、「50日移動平均線に位置する9,300ドルのレジスタンスを突破し、サポートを再テストした後にようやく、9,500ドル、9,800ドル、そして10,000ドルに臨む体制が整う。」と言及。一筋縄ではいかないとの認識を示している。

赤印:50MA

ビットコイン日次採掘率が大幅上昇

ビットコインハッシュレートが再び最高値を更新後、堅調な推移を継続していることがわかった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国拠点の一部マイナーの活動や出荷状況に影響が出ていたが、ハッシュレート推移を見る限り、状況は緩和傾向にある。

次回の難易度調整は、約3日後の9日19時前後(日本時間)。現在の予想変動値は+6%高と難化調整される予定だ。

市場不安のトリガーとなったハッシュレート動向と、マイナー動向。報告された内容から、ハッシュレート上昇傾向を探る。

最新機器の出荷状況

今年5月のビットコイン(BTC)半減期に向け、マイニング機器の競争と需要は増加傾向にあるが、一時停止していたマシンの出荷も再開していることも報告から明らかになった。

Bitmainは、2月27日に、さらにバージョンアップしたマイニング機器「Antminer S19」と「Antminer S19 Pro」を発表。近日中に販売が開始予定である。

S19シリーズはそれぞれ2種類の機器があり、f2poolのデータによると、マイニング機器で得られる利益のランキングで、S19 Proが1位、2位がS19となっている。

主な仕様については、S19の1つのハッシュレートが95TH/sで、もう一方は90TH/s。電力効率はどちらも34.5+/-%5J/THとなっている。

S19 Proに関しては、ハッシュレートと電力効率ともに大きく進化したと説明。2種類のハッシュレートはそれぞれ110TH/sと105TH/s。どちらも電力効率は29.5+/-%5J/THである。カスタムチップを採用し、安定性や起動スピードも向上した。

中国のマイニング企業は、コロナウイルスの影響で製造や出荷に遅れが生じていたものの、2月14日には、MicroBT社が生産を再開している。

半減期に向けて、上場企業が新たにマイニング機器を購入する動きは他にも見られる。ロンドン証券取引所(LSE)に上場する仮想通貨マイニング企業のArgo Blockchainは、同じくBitmainから3616台を新規導入すると1月に発表した。

新規マイナー関連

また、新規マイナーや欧米系のマイナーの台頭もある。

これまで70%のハッシュレートシェアが中国に集中していると指摘されてきた仮想通貨マイニングの市場は、中国勢と欧米勢とのハッシュレート競争に移りつつある。

SBIホールディングスの仮想通貨マイニング子会社「SBI Cryptoもその一社で、IT企業Northern Data AGとデータセンター運営企業Whinstone USと、パートナシップを締結。米テキサス州にある世界最大規模のマイニング施設で採掘事業に取り組む。

同施設は、300メガワット以上の発電容量を持つ最大規模のファームになる見込みで、最終的には1ギガワットの発電容量の施設まで拡大する予定。2020年Q4(10月〜12月)には全ての工程が終了する予定だ。

このように、世界的にマイニングの拠点が拡大する中で、新たにマイニング事業を拡大する動きが加速していることも、ビットコインのハッシュレートを拡大する背景にある。

これまで、中国が安価な電力代を仕入れやすく、マシンの供給網を確保しやすい環境にあったが、政府との交渉なども含め、欧米でも拠点を持ちやすくなったほか、冷却装置も含め技術革新が進んだことも欧米進出の背景にある。

Nasdaqに上場している米国拠点の仮想通貨マイニング企業Riot Blockchainが報告したところによれば、2月に自社でマイニングされたビットコイン(BTC)の平均日次採掘率の著しい成長を見せている。

2019年12月の1日あたりの平均日次生産率に対して、BTCの1日あたりの平均採掘率が147%増加したと3月5日明らかにした。

この増加はマイニング機器のアップグレードのおかげだという。

2月初めには、2940台のBitmain社製 S17と1751台のS9マシンがあったが、月末には稼働するS17の数は4000台へと増えていた。

Riot Blockchain社は、1月にオクラホマシティの採掘施設をアップグレードをする際、約3000台の新しいS17 Pro Antminersを配備した。

中国のマイニング機器大手Bitmainから、採掘マシンを購入。購入には合計で635万ドル(約6億9300万円)を費やしたという。

購入当時、Riotは、アップグレードによりオクラホマシティのマイニング施設での総動作ハッシュレートが1秒あたり約248ペタハッシュになり、Riotのマイニングハッシュレートと比較してハードウェアの電力効率が240%増加すると予想していた。

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