国内金市場が過去最高値に急騰、半減期まで「25日」のビットコイン市場はハッシュレート再上昇
世界経済
米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによれば、新型コロナウイルスの世界感染者数は14日時点で200万人弱まで上昇した。 4月3日時点で100万人だったが短期間で倍増しており、「医療崩壊」の危機について連日のように報じられている。
このような状況を受け、世界中で「現金回帰」が始まっている。米連邦準備理事会(FRB)によると、4月の第2週のドルの紙幣流通高は1.8兆ドルに達し、前年比9.2%増と2月以降に大幅伸長している。
パニック的なドル需要は”有事の円買い”需要を上回り、「円を売って米ドルを買う」いわゆるドル高円安を招いているとの指摘もある。
経済活動の停滞でサービス休止を余儀なくされても人件費や賃貸料など固定費はかかり続けることから、新型コロナの影響長期化による資金繰りの旧悪化や手元資金の枯渇を防ぐため、大企業でも手元資金の積み増しが加速している。
日銀が13日に発表した3月のマネーストック(通貨供給量)によれば、現預金の平均残高は、前年同月比2.7%増。コマーシャルペーパー(CP)の発行残高は、前年比20%増の25兆円と過去最高に。
ソフトバンクグループは、2020年3月期の最終損益として過去最大となる7500億円の赤字を計上した。 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、約10兆円を運用する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先で損失が膨らんだ。企業価値算定の見直しも迫られた。
懸念されていた原油市場では、サウジアラビアやロシアなどの産油国が協調減産に合意したものの、コロナウイルスによる需要減が響くなか、不十分だとして原油先物は続落。
リスク回避時に買われる金先物相場は直近最高値を更新して続伸。国内店頭価格では40年ぶりの最高値6513円をつけたことが報じられるなど、決算シーズンを迎えるにあたり、投資家の不安心理を示している。
景気後退局面で介入する米連邦準備制度理事会(FRB)による無制限量的緩和(QE)など大規模金融緩和策も、市場に流通する資金量を増やし株式などのリスク資産に資金が流入しやすくなる一方、物価が高まることで現金価値が目減りする懸念もあることから金市場には追い風だ。デジタルゴールドの性質を帯びるビットコイン(BTC)への影響も、今後現れる可能性も否めない。
ビットコイン(BTC)
ビットコイン(BTC)は前日比2.56%高の74.2万円(6870ドル)に。 一時6600ドルをつける場面もあったが、サポートラインで反発した。
上値の重さが際立つ展開だが、一時急落して警戒感が募っていたハッシュレート(採掘速度)も再上昇している。
8日から10日かけてビットコインキャッシュ(BCH)とビットコインSV(BSV)の半減期を迎えた仮想通貨市場において、半減期直後からBCHのハッシュレートが激減、半減期前比で一時80%減に達するなどしていた。
半減期後の報酬減による収益性低下を受け、大口マイナーがビットコイン(BTC)などより収益性の高いネットワークへ移動したことで、BCHネットワークセキュリティへの懸念が高まり、仮想通貨市場の一時的な不安定化につながったとの指摘もある。
4年に1度のビットコイン(BTC)半減期まであと25日と迫る中、どのような推移をたどるのか注目される。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します