規制対応とプライバシーを両立
ブロックチェーン技術を手がけるDatachainは4日、プライバシー基盤「Datachain Privacy」と法人向けウォレット「Datachain Wallet」を2026年春に提供開始すると発表した。同日より事前申し込みの受付も開始している。
Datachain Walletは、ブロックチェーン上の取引プライバシーとPasskeyによる鍵管理を両立した法人向けウォレット。プライバシー基盤「Datachain Privacy」をブロックチェーン基盤事業者やソリューション企業向けに提供しつつ、同技術を組み込んだウォレットを法人向けに展開する。
Datachain Privacy:3要素で企業の取引情報を保護
パブリックチェーンでは取引金額や残高が原則公開されるため、企業利用ではプライバシー確保が課題となっている。
Datachain Privacyは「匿名性」「機密性」に加え、取引パターンから企業が特定されることを防ぐ「非リンク性」にも対応。当局や監査法人への選択的開示機能やHSM・Passkey対応の鍵管理により、規制対応との両立を図る。

出典: Datachain
Datachain Wallet:法人実務に対応したプライバシーウォレット
Datachain Walletは、上記プライバシー基盤を実装した法人向けウォレットだ。Passkeyやハードウェアセキュリティモジュール(HSM)による秘密鍵管理でフィッシング耐性を高めるほか、作業ごとの承認ワークフローや申請者・承認者・管理者の権限分離に対応。会計処理や内部統制に必要な証憑のダウンロード機能も備えるなど、法人利用を前提とした設計となっている。
ETHなどの手数料用暗号資産を別途調達する必要がなく、ステーブルコインだけで送金が完結するガスレス設計も特徴となっている。対応チェーンはEVM系に順次拡大し、JPYC・USDC・USDTなど主要ステーブルコインのほか、ETHなどネイティブトークンもサポートする予定。

出典: Datachain
法人利用の本格化とプライバシー課題
国内では日本円建てステーブルコインの整備が加速している。SBIホールディングスとスターテイルは信託型の「JPYSC」を2026年度第1四半期にローンチ予定で、100万円の送金制限を受けない大口決済対応による法人利用者の増加が見込まれる。
関連:SBIとスターテイル、日本初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」のブランド名称とロゴを発表
海外でも監査法人EYがEthereum上の企業間取引秘匿技術「Nightfall」を開発し、Circleが新チェーン「Arc」に秘匿化機能を実装するなど、プライバシー対応の動きが広がっている。
Datachainは2018年の創業以来、Progmatの共同設立やSwiftと連携した国際送金プロジェクト「Project Pax」など、大手金融機関とのインフラ構築を推進してきた。2月にはProgmat・Avalancheとの戦略的協業を発表し、Datachainはクロスチェーン技術「LCP」を提供。異なるブロックチェーン間でのST-ステーブルコイン間のDvP決済やPvP決済の商用化を進めている。
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