- 量子耐性取引・署名などが優先分野
- 量子コンピュータ脅威で情報発信
「ビットコイン量子準備イニシアチブ」開始
暗号資産(仮想通貨)企業ギャラクシーデジタルは21日、ビットコイン(BTC)を量子コンピュータの脅威に備えるための「ギャラクシー・ビットコイン量子準備イニシアチブ」を発表した。
具体的には、ビットコインの量子耐性ソリューションに取り組む開発者への最大500万ドル(約8億円)の助成金、専門的な研究・情報提供プログラム、量子コンピューティングとポスト量子暗号の第一人者で構成される量子アドバイザリー評議会の設立を3つの柱としている。
ギャラクシーデジタルは、現在、暗号的に有効な量子コンピュータはまだ存在しないが、それが開発されるまでの時期は短縮されつつあると述べた。トランプ米大統領が、主要な政府システムのポスト量子暗号への移行目標を2030〜31年と定めたことも指摘した。
関連記事:トランプ大統領が量子コンピュータ推進の大統領令に署名、2028年実現目標
トランプ米大統領が22日、量子コンピュータの開発・商用化を加速する大統領令に署名した。科学研究向けの量子コンピュータを2028年までに実現する目標を掲げ、政府システムのポスト量子暗号移行は2030〜31年を目指す。
ギャラクシーデジタルは、ビットコインは分散型でガバナンスが行われているため、量子脅威へ対応するプロトコルのアップグレードについて、設計、レビュー、テスト、展開に数年を要することになるだろうとした。
さらに、現在、ビットコインの量子耐性に取り組む開発者は、課題の規模に比べて依然として少数にとどまっているとも指摘。こうした課題に対処するため、今回のイニシアチブを立ち上げた格好だ。
関連記事:量子耐性アドレスへの移行で「放置されたビットコイン」をどうすべきか=コインベースレポート
コインベース諮問委員会が仮想通貨ビットコインと量子コンピュータ脅威に関するレポートを発表。「砂時計プロトコル」など3つの方策を組み合わせた中間的アプローチを提案した。
3本柱の詳細
まず、最大500万ドルを提供する開発者への助成金プログラムでは、優先分野として量子耐性トランザクション案の実装と評価、ポスト量子署名スキームの開発と導入、ウォレットおよびカストディアン(資産管理者)が量子耐性に移行するためのツール開発、各提案のセキュリティ監査などが挙げられた。
ギャラクシーデジタルは、ただちに助成金への応募受付を開始する予定だ。
次に、研究・情報提供プログラムでは、ビットコインに対する量子コンピュータの脅威と、それに対処するための取り組みの進展に関して分析し、機関投資家、政策立案者、開発者コミュニティに対して、継続的に発信していく。
ギャラクシーデジタルは、今回のイニシアチブでリサーチを指導し、助成金への申請書を評価し、取り組みが最良の専門知識に基づいていることを保証するために、量子アドバイザリー評議会を設立した。
初代メンバーは、バリー・サンダース氏(カルガリー大学クォンタムシティ教授・科学ディレクター)、ダミアン・ベルベ氏(マサチューセッツ工科大学シーグラント・クナウス・フェロー)、エラン・トロマー氏(ボストン大学コンピュータサイエンス教授)から構成される。
ビットコインをはじめ仮想通貨のコミュニティでは量子コンピュータ対策をめぐる議論や技術提案が盛んになっているところだ。
企業としては、ギャラクシーデジタルの他に大手取引所コインベースも量子コンピューティングとブロックチェーンに関する独立諮問委員会を設立済みだ。また、同社は開発者や業界関係者と連携し、業界全体での量子耐性に向けた取り組みの調整を進める方針を示している。
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Project Elevenが、量子コンピュータ登場後もビットコインウォレットの所有権を証明できるゼロ知識証明技術を開発。移行期限を逃したユーザーにも対応するとしている。



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