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トランプ大統領が量子コンピュータ推進の大統領令に署名、2028年実現目標

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 量子センサーの軍事実用化を2028年9月までに目指す方針も明記
  • 政府システムのポスト量子暗号への移行目標は2030〜31年

量子コンピュータ大統領令署名

トランプ米大統領は22日、量子情報科学・技術(QIST)の開発・商用化を加速する大統領令に署名した。

ホワイトハウス科学技術政策局のマイケル・クラッチオス局長は、大統領令署名に先立つ説明で「2028年までに実現できると考えている」と述べ、科学研究向け量子コンピュータの開発目標を示した。

大統領令は、科学的発見を促進する規模の量子コンピュータを開発する「QC-ADDS(量子コンピュータ応用開発・発見科学)計画」を新設すると定めた。同計画では少なくとも1台の量子コンピュータをエネルギー省の施設に導入し、科学コミュニティへの公開も目指すとしている。

大統領令は計2本で構成される。うち1本は、量子コンピュータを利用したサイバー攻撃から政府システムを保護する目的として主要な政府システムのポスト量子暗号への移行目標を2030〜31年と定めた。もう1本は量子センサーと量子ネットワークの展開計画に関するものだ。

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量子センサーと国際連携

国防総省は大統領令に基づき、署名から60日以内に次世代量子センサーの優先プロジェクトを少なくとも3件特定し、2028年9月30日までの実用化を目指す。

量子センサーは、衛星測位システムが妨害された戦域での航空機誘導や、地下トンネル・ミサイルサイロの宇宙からの探知といった軍事用途が想定される。ロイターによると、インフレクション社のマシュー・キンセラCEOは「量子コンピューティングより前に、量子センサーが多くの成果をもたらせる」と述べ、目標達成は可能との見方を示した。

また、国際協力の面では、国務省と商務省が同盟国・友好国との知的財産保護や量子サプライチェーンの安全確保で連携を強化する方針だ。クラッチオス局長は「競合国・敵対国が米国の経済・国家安全保障を損なおうとしている状況を踏まえた措置」と説明した。

商務省の20億ドル助成と仮想通貨への影響

大統領令署名に先立ち、商務省は5月21日、CHIPS・科学法に基づき量子コンピュータ関連9社に総額約20億1,300万ドルの連邦助成を行う意向書を締結したと発表した。最大の受給先はIBMで10億ドルの助成を受け、ニューヨーク州アルバニーに超伝導量子ウェーハ製造の新会社「アンデロン」を設立する予定だ。

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米商務省は5月21日、CHIPS法に基づき量子コンピュータ関連9社に総額20億ドルの連邦助成を行う意向書を締結した。IBMは10億ドルを受給し、量子ウェーハ製造専門の新会社「アンデロン」をニューヨーク州に設立する方針だ。

量子コンピュータの発展は、ビットコインやイーサリアムの暗号を解読する「Qデー」への懸念を業界内で高めている。量子セキュリティ企業プロジェクト・イレブンが5月6日に公表したレポートは、基本シナリオで2033年、早期シナリオでは2030年にQデーが到来する可能性があると試算した。同レポートは、約690万BTCが公開鍵の露出したアドレスに保管されており、量子攻撃の標的になりうるとも指摘している。

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