WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

フランス、2027年から量子耐性なき暗号製品の認証を停止 仮想通貨にも影響

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ANSSIが2027年から量子耐性なき暗号製品の認証を停止を要求
  • 仮想通貨業界でも耐量子暗号への対応が加速

ANSSIが2027年から認証基準を厳格化

ロイターが16日に伝えたところによると、フランスのサイバーセキュリティ機関ANSSI(Agence Nationale de la Sécurité des Systèmes d’Information)は、量子耐性を持たない暗号製品の認証を2027年から停止する方針を表明した。同機関のサミ・スイッシ参事官がパリで開催された「France Quantum 2026サミット」で明らかにした。

ANSSIの認証は、フランスの政府機関や重要インフラ事業者が製品を採用するための事実上の要件となっており、今回の方針転換は従来型の暗号システムを段階的に排除する効果を持つ。

スイッシ氏は「技術的な問題だけでなく、ガバナンス・産業計画・規制・国家主権の問題でもある」と述べた。同氏はあわせて、企業が2030年までに量子耐性を備えた製品のみを購入するよう求めた。

関連記事:仮想通貨の量子コンピュータ対策【2026年】主要5銘柄の最新動向を解説

量子コンピュータが仮想通貨の暗号を解読するリスクとは何かわかりやすく解説。ビットコイン(BTC)をはじめ、ETH・XRP・SOL・BNBの量子コンピュータ対策状況を一覧で整理。50万物理量子ビット基準や各ロードマップの違いを、初心者にもわかるよう解説します。

「今盗んで後で復号」のリスクが政策を加速

今回の政策を後押しした主な懸念が「Harvest Now, Decrypt Later(今盗んで後で復号)」と呼ばれる攻撃手法だ。

国家や高度な犯罪組織が現時点で暗号化されたデータを大量に収集し、将来の量子コンピュータが既存の暗号を解読できるようになった段階で復号するというシナリオで、フランス当局はその現実的リスクを認識した上で対応を前倒しした。

現行の暗号インフラの中核を担うRSAやECC(楕円曲線暗号)といった方式も今回の政策の対象となる。米国立標準技術研究所(NIST)は2024年に耐量子暗号の初期標準「ML-KEM」「ML-DSA」を策定しており、フランスの動きはこの国際的な標準化の流れと軌を一にしている。

OVHcloudの量子部門責任者ファニー・ブートン氏はロイターに対し、「自社製品の監査と保有データの保護という二重の課題に直面している」と述べ、ANSSI・EU・NISTの要件に同時対応する必要性を指摘した。

仮想通貨業界への波及

今回の政策はフランス国内の政府調達や重要インフラを直接の対象とするが、ブロックチェーン分野にも影響が及ぶとみられる。Decryptの報道によれば、コインベースの量子諮問委員会は直近、ブロックチェーン開発者に向けて耐量子暗号への移行計画の策定と、移行しないウォレットへの対応方針の検討を促している。

ステラ開発財団(Stellar Development Foundation)も、ウォレットアドレスを変えずに量子耐性を持つ署名者を追加できるプロトコルアップグレードを含む3段階の移行ロードマップを公開した。

なお、EUも加盟国に対して2026年末までに移行開始、2030年までに重要インフラの耐量子化を完了するよう求めており、フランスの動きはこの欧州全体の方針とも整合している。

米国家安全保障局(NSA)の「CNSA 2.0」計画も同じく2027年を移行の起点としており、主要国間で政策の足並みがそろいつつある。

関連記事:量子コンピュータ、ビットコインよりPoS銘柄に「追加リスク」か コインベース諮問委員会が提言

コインベース諮問委員会が量子コンピュータリスクの提言書を公開。BTCコアインフラは安全と評価する一方、PoSチェーンのバリデータ署名に追加の脆弱性があると指摘した。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/17 木曜日
13:20
クリプト富裕層はどこに住むか、移住を意識した世界の仮想通貨採用度ランキング
ヘンリー・アンド・パートナーズが「クリプト・ウェルス・レポート2026」を公開。仮想通貨対応国ランキングのほか、投資戦略やステーブルコインの動向も紹介する。
11:50
コインベース、クラリティー法案否決直後にステーブルコイン報酬引き上げ
コインベースは16日、USDC報酬利率を3.75%に引き上げたと発表した。前日に米上院がクラリティー法案の審議入りを否決しており、規制強化を一時的に免れた形での利回り拡大となる。
11:43
ビットコインコア、新版が最終テスト段階に 脆弱性2件も修正
ビットコインコア(Bitcoin Core)32.0が9月14日にリリース候補に入り。ブロック検証高速化に加え、悪用可能なウォレット名とHTTPサーバーのメモリ枯渇を突く脆弱性2件を修正。10月10日に正式リリース予定。
11:35
オンド、米証券保管大手DTCCに初のトークン化企業として加盟
オンド・ファイナンスの子会社がDTCCの投信取引基盤Fund/SERVに、トークン化企業として初めて加盟した。全米の投資信託取引の85%超を処理する同基盤への接続により、伝統金融とのシステム連携が可能になる。
11:15
ビットコイン、下落幅は限定的も需要停滞=グラスノード分析
グラスノードが仮想通貨市場レポートを発表した。ビットコインは悪材料にもかかわらず下落は限定的。一方でオンチェーン・ETF・企業購入など新規資金の流入は軒並み止まっている。
10:50
反対票投じた7人の民主党議員、クラリティー法案の超党派協議継続へ
反対票を投じた民主党のジリブランド上院議員ら7人はクラリティー法案の超党派協議継続を表明した。採決不成立を受け、SECとCFTCの規則整備へ関心がシフトしている。
10:45
クラリティー法案頓挫もビットコイン強気相場は継続、ビットワイズCIO分析
ビットワイズの最高投資責任者は、ビットコイン価格とクラリティー法案成立確率の逆相関データを示し、法案否決後も強気相場への影響は限定的との見方を示した。
10:22
ジーキャッシュ、ブロック時間を3分の1に短縮へ 半減期は維持
仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)のコインホルダー投票で、次期アップグレードNU7の内容が固まった。ブロック生成間隔を25秒に短縮する一方、半減期は維持する。手数料還元制度の開始時期や今後の予定も解説する。
09:39
アフリカ最大級IPO、ソラナでステーブルコイン申込開始
ナイジェリアのダンゴテ石油精製が9月14日にIPO申込を開始。ソラナ基盤のNectarFiがGetEquityと連携し、ステーブルコインでの直接申込を可能にした。最低申込額や締切日、オンチェーンでの申込状況まで詳しく解説する。
07:45
ペイワード、ハイパーリキッドの無期限先物を米国で提供計画
クラーケンの親会社ペイワードは16日、規制当局の承認を前提に米国顧客向けオンチェーン無期限先物の提供計画を発表した。まずはハイパーリキッドの市場から展開する計画だ。
07:15
サークル、独自ブロックチェーン「アーク」稼働開始
サークルは16日、独自ブロックチェーン基盤「アーク」のメインネットを稼働開始した。ブラックロックやビザなど大手金融機関が検証者に加わり、ロビンフッドも対応を表明した。
06:50
米下院委員会、仮想通貨税制法案を38対5で可決 本会議へ送付
米下院歳入委員会は17日、仮想通貨の税務ルールを定める法案を38対5で可決し、本会議に送付した。10ドル以下の手数料は非課税となる一方、マイニングとステーキング報酬は通常所得として課税され、投資家の申告実務に影響する見通しだ。
06:30
米下院委員会、ビットコイン準備金法案を可決丨保有BTC20年凍結を規定
米下院金融サービス委員会は17日、ビットコイン戦略準備金を法制化する法案を28対21で可決した。政府が保有するビットコインを20年間売却禁止とする内容で、本会議での採決や上院審議が今後の課題となる。
06:10
米SEC・CFTC両委員長が規制推進を表明、クラリティー法案否決を受け
米上院でのクラリティー法案否決を受け、バーンスタインとストーンエックスは規制の主導権がSEC・CFTCに移ったと見解。投資家は当局主導のルール整備の動向を注視する必要がある。
05:50
クラリティー法案「年内成立の可能性低い」、JPモルガン
JPモルガンはクラリティー法案年内成立の可能性が極めて狭いとの見方を示した。規制当局による規則整備への注目度が高まりつつある。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧