世界的ヘッジファンド、ビットコイン先物取引へ参入か=ルネサンス

メダリオン、ビットコイン先物取引に着手か

ジェームズ・シモンズ氏率いる世界で最も名の知られたヘッジファンドの1つであるルネッサンス・テクノロジーズが、ビットコイン先物市場へ参加する姿勢を見せていることが分かった。

3月末に規制当局へ提出した書類の中に同社の旗艦ファンドである、メダリオンファンドについて「ビットコイン先物取引に参加することを許可した」と記載した。

取引活動はシカゴマーカンタイル取引所(CME)での取引に限定すると併記しており、現時点では同社がビットコイン先物をすでに購入したかどうかは不明だ。

メダリオンファンドは、高度な数理モデルに基づく独自の売買ブログラムで高いリターンを生み出してきた著名ファンド。「最も賢い億万長者」とも評された数学者ジェームズ・シモンズが率いており1988年から2018年の間で、投資家に年間平均66.1%の総収益をもたらした。(2008年に年率80%のリターンを記録)

なお、コロナショック時の収益は一時赤字に転落。クオンツモデルが今年のボラティリティー急騰時に裏目に出て、第1四半期で赤字に沈む要因になったことを報告している。

ビットコインのリスクについても明記

今回の申請書類(ADVフォーム)の中では、ビットコイン(BTC)とビットコイン関連のデリバティブを取引するリスクについても言及された。

ビットコインとこれに基づく先物取引は、実質的に投機性が高く、他の多くの投資形態と比べて、資本を失う可能性が高いことを指摘。他にも、ボラティリティの高さや、規制が未整備で現在そのあり方が模索されていることなど、ビットコインに関連する11のリスクをリストアップした。

仮想通貨業界に追い風

CMEは、2017年のリリース以来、ビットコインの現物決済先物を取引するプラットフォームとしては、出来高は好調な推移を維持しているとは言い難いが、CMEビットコイン先物の1日の平均取組高(未決済建玉)は開始当時の538件から20年2月の約6000件まで増加。新たなヘッジファンドの参入も報告されている。

この推移に、メダリオンの取引が含まれているかは明らかではないが、大手金融ブランドがBTCへ継続的に関心を抱いていることは、業界の追い風ともなりそうだ。

参考資料として、最近実施されたフィデリティ・インベストメンツによる400人以上(年金運用者、ヘッジファンド、フィナンシャル・アドバイザー)が参加した調査によると、回答者の47%はデジタル通貨は「革新的な技術」であると考えており、また、他の資産と「低い相関関係」を有しているため暗号資産に投資したいと述べている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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